Amazon.co.jp: 明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) : 白洲 正子: Japanese Books
白洲 正子
Follow
明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) Paperback Bunko – March 4, 1992
by 白洲 正子 (著)
4.0 out of 5 stars 44 ratings
――師に辞し衆に違して思を山林に懸く(「高山寺文書」)山中に一人修行することを望んだ高山寺開祖・高僧明恵。能・書画に造詣深い著者が、「明恵上人樹上座禅像」に出逢い、自然の中に没入しきって気魄に満ちた、強靱な人間の美しい姿に魅せられ、その生きざまを追究。平明静謐な文章で、見事に綴る紀行エッセイ。
Print length
218 pages
Language
Japanese
Publisher
講談社
Publication date
March 4, 1992
明恵 夢を生きる
河合 隼雄
4.3 out of 5 stars 83
Tankobon Hardcover
44 offers from ¥299
Product description
内容(「BOOK」データベースより)
山中に一人修行することを望んだ高山寺開祖・高僧明恵。能・書画に造詣深い著者が、「明恵上人樹上座禅像」に出逢い、自然の中に没入しきって気魄に満ちた、強靭な人間の美しい姿に魅せられ、その生きざまを追究。平明静謐な文章で、見事に綴る紀行エッセイ。
Product Details
Publisher : 講談社 (March 4, 1992)
Publication date : March 4, 1992
Language : Japanese
Paperback Bunko : 218 pages
4.0 out of 5 stars 44 ratings
白洲 正子
(1910-1998)東京・永田町生れ。薩摩隼人の海軍軍人、樺山資紀伯爵の孫娘。幼時より梅若宗家で能を習う。14歳で米国留学、1928(昭和3)年帰国。翌年、白洲次郎と結婚。1943年『お能』を処女出版。戦後、小林秀雄、青山二郎らを知り、大いに鍛えられて審美眼と文章をさらに修業。1964年『能面』で、また1972年には『かくれ里』で、ともに読売文学賞を受賞している。
Customer reviews
4.0 out of 5 stars
ナンダ
4.0 out of 5 stars 月や石や島も友とした童貞の高僧の純粋さを称揚Reviewed in Japan on August 5, 2021
Verified Purchase
芸術にくわしい筆者が、いさぎよく美しい明恵の生き方を女性の視点から描き出す。
明恵は8歳で母を亡くし、同じ年に父も上総国で戦死した。頼朝が兵をあげた時の戦だった。
「我は後世たすからんと云ふ者にあらず。ただ現世に先づあるべきやうにあらんと云ふ者なり」。浄土に救いを求める法然たちの浄土宗とは正反対で、「今」を生き抜く覚悟がすがすがしい。その潔さは武士の子としての育ちによるものらしい。
「あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月」
「雲をいでて我にともなふ冬の月風やみにしむ雪やつめたき」などの歌で、明恵は「月の歌人」と呼ばれる。
「我ナクテ後ニシヌバン人ナクバ飛ビテカヘレネ鷹島ノ石」などと、無人島や小さな石とも心を通じていた。月も石も島も、彼にとっては人間の友と変わらぬ存在だった。
明恵は宗派はつくらなかったが、彼の「あるべきやうわ」の思想は、御成敗式目に引き継がれ、江戸時代まで影響を及ぼした。その影響力は徹底した純粋さによるものなのだろう。
明恵は死ぬまで童貞だった。「単に戒律を守っただけでなく、現実の女性は、童貞を捧げるべく、あまりにはかない存在に映ったのではないか」と筆者は純粋さをたたえるが、現実の女性を母との比較でしかとらえられなかったマザコンという側面を見落としているような気がした。
白洲の明恵論は美しいのだけど、美しすぎて純粋すぎて、違和感を感じる部分も少なくなかった。私の心が汚れているからだろうか。
One person found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
読書空間 ひつじ日和
4.0 out of 5 stars 魅力的な人Reviewed in Japan on April 4, 2022
鳥獣戯画の本を読んでいたら明恵上人に辿り着きました。
魅力的な人です。
白洲正子さんがその生涯を余すところなく調べ、文章にします。
原文をそのまま掲載しているところは読み難いです。だんだん慣れてきますが。
いきなりこの本では少し難しい可能性があります。
事前知識を何かで入れておくと良いかもしれません。
愛蔵版の良いところはカラー写真がたくさんあることです。
HelpfulReport abuse
Translate review to English
珈琲はキリマンジャロ
4.0 out of 5 stars 明恵の生涯を綴ったエッセイですReviewed in Japan on September 10, 2014
Verified Purchase
明恵上人を知りたく、本書を購入しました。
また、著名な随筆家・白洲氏の著作を読むのが初めてで、白洲氏の文章表現にも期待しました。
本書は、9つのテーマで綴られています。
まず、能に造詣が深い白洲氏らしく「春日龍神」という能の話から「樹上座禅像」を語ります。
次の明恵の幼名をタイトルにした「薬師丸」では、明恵の生立ちから西行との交流を語ります。
「仏眼仏母」では、入山して「遺教経」を知ったことと、
「仏眼仏母像」に亡き母への想いを抱いていたことを語ります。
次の「紀州遺跡」と「高雄から栂尾へ」は、明恵の足跡をたどる紀行文になっています。
「あるべきようわ」では栄西との交流、道元や親鸞との相違を語り、
「栂尾の上人」では北条泰時との交流を語ります。
「華厳縁起」では華厳絵巻を解説し、
最後の「夢の記」では明恵が抱いた石と夢への想いについて語ります。
ぼんやりとですが、明恵像が浮かびました。
14 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
山
3.0 out of 5 stars 正子が見た明恵Reviewed in Japan on August 3, 2014
Verified Purchase
知られざる姿を現地で這いずり回り調べあげた。新しい知見がいっぱいある。思い込んだらどこまでも、バイタリテイーに敬意とエールを送る。
少しわかりにくい。
4 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
*鳩子
5.0 out of 5 stars 美しい本Reviewed in Japan on July 29, 2013
Verified Purchase
明恵上人について書かれた白洲正子さんの本。豊富な資料、写真等あざやかなカラーの図版を見ながら白洲さんの明恵さんについての文章を読みすすめられる、とても贅沢な本でした。明恵上人については臨床心理学者の河合隼雄さんの著書「明恵 夢を生きる」から読んで知りました。この本の巻末に白洲さんと河合さんの対談も収められてあり嬉しい。明恵上人についての理解が深められました。明恵さんにまつわる様々のもの、お能「春日竜神」についてや、明恵さんの詠まれた和歌も数多く紹介されてあり、とても面白く読めます。「華厳宗祖師伝」の義湘、元暁、善妙のお話も、華厳縁起の絵巻や、仏眼仏母についても、白洲さんの解説と絵図とあわせてとても興味深く読めました。明恵上人をより身近に感じられる、胸に迫る一冊でした。
明恵上人(1173.1.8 - 1232.1.19)
白洲正子(1910.1.7 - 1998.12.26)
※ 後日付記・・・・上記のレビュー、ハードカバーの単行本についてのものです。文庫本のほうにはカラー写真はありませんでしたが「華厳縁起」の絵が単行本とは違うものが載っていたり、明恵上人のお墓…きれいな五輪塔の写真がありました。令和二年八月、鳩拝。
34 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
たーちゃん
5.0 out of 5 stars 茶会を開く為に読みました。Reviewed in Japan on June 21, 2015
Verified Purchase
鳥獣戯画の茶碗で茶会をすることに決め、ゴールデンウィークに東京国立博物館で開催された鳥獣戯画展に行ってきました。そこで明恵上人の魅力を知り、もっともっと知りたい。と思って購入しました。立身出世はなりたくてなれるものではない。明恵上人は出世なんて全然したくなかった。世の真理を教えてくれる貴重な1冊。
5 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
亀はまんねん
5.0 out of 5 stars さすがですReviewed in Japan on June 2, 2015
Verified Purchase
よかったです。明恵上人のことが知りたくなりました。やはり白州さんは頭脳明晰、感性豊かな方ですね。
3 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
野島 裕子
5.0 out of 5 stars すきだなあReviewed in Japan on February 7, 2014
Verified Purchase
随分、ストイックな僧侶がいたんだなと、思うが、あまりの、清らかさに感動してしまいました。
9 people found this helpful
HelpfulReport abuse
Translate review to English
See all reviews