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愛欲の精神史1 性愛のインド (角川ソフィア文庫)
by 山折 哲雄 (Author) Format: Kindle Edition
3.9 3.9 out of 5 stars (8)
Book 1 of 3: 愛欲の精神史
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ヒンドゥー教由来の生命観による強力な性愛・エロスの世界。ガンディーの「非暴力」思想の背後にある「性ののり越え」の聖性と魔性など、インドという土壌での「エロスの昇華」を描く。和辻哲郎文化賞受賞作品。
From Japan
JOHN JOHN BY THE RUINS
4.0 out of 5 stars インドの深奥部をえぐる力作
Reviewed in Japan on January 1, 2019
Format: Paperback BunkoVerified Purchase
タイトルに惹かれ、すけべ心丸出しで本書購入。読後感については、それほどすけべ心が満たされたというわけでもないし、要するに期待していたほどには「愛欲」について語られているわけでもなかったのだが、気の向くままペンの赴くままにインドの深奥部を「えぐってる」感じがしてぐいぐい読みすすむことができた。2001年刊『愛欲の精神史』から「1性愛と狂躁のインド」「2ガンディーの聖性と魔性」を抜き出して文庫化。「1」はある程度のインド哲学、仏教の知識がないとつまらないかもしれない。ウェーバーのインド論というか宗教論が引き合いに出されている。「2」のガンディーについては、予備知識がほとんどないままに読んだせいもあるかもしれないが、なかなか面白かった。ガンディーって、そうだったのか・・と驚かされた。
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Shigenobu Fujioka
4.0 out of 5 stars ユニークな事例を元にインドとエロスの関係を論じる
Reviewed in Japan on October 17, 2013
Format: Paperback Bunko
山折哲雄というと、もっと穏健な内容の本の著者、というイメージがある。
愛欲とか性欲とかという言葉と、山折の言葉はなかなか結びつかない。
このシリーズ本の第1巻では、インドにおける数学のゼロと仏教の空の概念の関係や、
インドに関心の深かったマックス・ウェバーのあまり知られていないエピソード、
そして最後に、ガンジーについて、論じている。
山折は、それぞれのテーマについて、実に興味深い事例を用いているが、
全体的に、ちょっと無理な論理展開であるようにも思えた。
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愛欲の精神史2 密教的エロス (角川ソフィア文庫)
by 山折 哲雄 (Author) Format: Kindle Edition
3.6 3.6 out of 5 stars (8)
Book 2 of 3: 愛欲の精神史
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空海の即身成仏にみる密教的エロス、これに通底する『源氏物語』の「色好み」にみられる「空無化する性」。女人往生を説く法華経信仰と「変成男子」という変性のエロチシズムについて描く。和辻哲郎文化賞受賞作品
JOHN JOHN BY THE RUINS
4.0 out of 5 stars 実はエロい空海
Reviewed in Japan on October 3, 2019
Format: Paperback BunkoVerified Purchase
特に第一部第三章「密教から反密教へ」と第四章「"即身成仏"のエロス」が面白い。空海の思想がいかエロティシズムを内にはらんでいるかが語られる。空海が日本にもたらした密教は、インド密教の歴史の中では中期密教に属し、後期密教のようにあからさまに性的ヨーガを行じるといったものではなかったが、それでもエロスの香りはそこかしこから立ち上がってくる。その最たるものが金剛頂経の即身成仏思想で、それは「男女の性愛行動のうえに実現される(P114)」ものであった。理趣経しかり、両部のマンダラしかりである。空海の思想をエロスの視点から切り取ってみると、まるで違った空海がそこに現れる。後にそれは『空海の企て』で指摘されるように「アンチ・ブッダの危うい断崖を歩く」がごときものであった。一歩間違えれば・・・の世界である。真面目に空海に取り組んできた者にとっては衝撃の内容かもしれないが、同時に誰もが内心うすうす感じていたことを白日の下に曝したともいえる。自由で大胆に語られた空海論。ただ第二部は法華経やら源氏物語やらが出てきて散漫な印象。ちょっと残念であった。
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Shigenobu Fujioka
4.0 out of 5 stars 源氏物語と密教の興味深い関係を論じている
Reviewed in Japan on October 17, 2013
Format: Paperback Bunko
第1巻では、インドについての話題が中心だったが、
この巻では、そのインドから中国へどのように伝わって行ったかを足がかりに、
愛欲というテーマにぴったりの密教についての特徴を、ウンベルト・エーコや津田真一などの著作を引用し、論じている。
さらに、話題を日本に展示、源氏物語と密教の興味深い関係を論じている。
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愛欲の精神史3 王朝のエロス (角川ソフィア文庫)
by 山折 哲雄 (Author) Format: Kindle Edition
3.9 3.9 out of 5 stars (6)
Book 3 of 3: 愛欲の精神史
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「とはずがたり」の二条をめぐる5人の男との愛の遍歴、これと対比される璋子の野生化する奔放な愛欲のかたち、その果ての女人出家の懺悔・滅罪について描く。王朝の性愛をめぐる増補新訂
Shigenobu Fujioka
4 out of 5 stars『とはずかたり』をメインテーマに王朝のエロスを論じる
Reviewed in Japan on October 17, 2013
Format: Paperback Bunko
愛欲について、インド、中国と巡った最後の巻では、
『とはずかたり』をメインテーマに、その内容を、すこし前の時代に生きた、
待賢門院と白河天皇の関係と重ねあわせて、ふたつの愛憎劇を論じている。
巻末には、山折が行った源氏物語に関する講演録を収録している。
あらためて、この『とはずかたり』という物語の異常さを感じた。
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『愛欲の精神史1 性愛のインド』(角川学芸出版)
2017/07/01
愛欲の精神史1 性愛のインド / 山折 哲雄
愛欲の精神史1 性愛のインド
著者:山折 哲雄出版社:角川学芸出版装丁:文庫(300ページ)発売日:2010-03-25 ISBN-10:4044094187 ISBN-13:978-4044094188
内容紹介:
釈迦を生んだインドは、ヒンドゥー教の生命観を反映した強力な性愛とエロスが渦巻く狂躁の世界でもあった。そのインドの宗教世界に禁欲と神秘主義をもって分け入り、自己神化論へといたるウェ… もっと読む
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途轍もなくスケールが大きい。インドから説き起こし、ヨーロッパや中国にまで話を広げ、最終的には日本に帰着する。仏教の経典や西洋の思想書を博引苦証しながら、日本の古典から現代の小説にいたるまで縦横無尽に語る。
「愛欲」を扱っているわりには、性欲の事象にあまり興味が示されていない。欲望の表徴ないし変奏を決定する精神性とは何か。その一点に絞って、執拗なまでに本質を掘り下げる。
日本のことを考えるとき、いつもインドのことを考えている、と公言するほどインドに心酔している。それだけに、インドの哲学と宗教について語るときも、つねに特別な感情がこめられている。もともとインドの宗教は複雑で奇妙きわまりない。少なくともはた目にはそう見える。神秘の霧を取り払うためには、いくつもの小道具が用意されている。ときには近距離で眺め、ときには浩瀚な知識を駆使する。あるいは、自らの体験をまじえて興味深いエピソードを披露したりする。
哲学をたんに頭の中だけで考えるのではなく、現地に赴きその哲学が生まれる土地を歩き回り、そこの空気と水に触れる。異域に旅をすることは、文化の「落差」を歩くことだ。その「落差」を身体で理解するまでひたすら歩き続ける。
西欧思想がインドという精神岸壁にぶつかったとき、どのようなしぶきをあげたのか。その辺りの叙述は論考を超越して、物語のような展開を見せる。マックス・ウェーバーのインド論は、この高名な学者の性愛の遍歴と結びつけて語られていて面白い。インドに向ける眼差しは、驚異的な他者批評を生み出すと同時に、西洋世界の内面的な心象をもさらけ出す。一方、ウェーバーを中間点に置くと、インド宗教とガンディーとのあいだの連続性/非連続性も浮かび上がってきた。
政治闘争の非暴力方式は身体的な禁欲を代償としてはじめて完全なものになる。そう考えたガンディーは三十七歳にして妻と性的な関係を断ちきることを一方的に決めて、内外に宣言した。四人の子どもたちとの親子関係も棚上げしようとする。ガンディーの禁欲はいったい何を意味しているのか。これまで誰も気付かなかった視点から問い直されている。
かりに禁欲が「男であることの無意味」を生きることを意味しているならば、その系譜の中で空海は日本思想史を読み解く鍵となる。
自らの感性と体験に即して宗教思想を理解しようとする姿勢は、空海の密教を解き明かす過程でも貫かれている、ルーブル美術館を訪ねた際、著者はおびただしい裸体の彫刻を目にした。そのとき受けた衝撃は、密教に出会った空海の内面を探究するのに役に立った。
空海密教という試薬を加えると、王朝文学の定性分析は自ずと結果が出る。ヒンドゥー教に由来し、密教になだれ込んだエロチシズムがどのように『源氏物語』の「色好み」と接続しているか、著者一流の語り口で巧みに読み解かれている。
女性の愛欲とその行く末について考察するのも忘れていない。圧巻は『とはずがたり』と宗教思想の響き合いについての分析である。性愛の過剰はいつの間にか女人出家へと変わり、最後には鎮魂と懺悔の交響となる。「女であることの無意味」を生きることを示唆して、壮大な知の探究の旅がここでようやく終わりを告げる。単なる愛欲の歴史にとどまらず、茫漠たる時空を超えた文明論であり、深遠な比較思想論にもなっている。
【この書評が収録されている書籍】
本に寄り添う Cho Kyo's Book Reviews 1998-2010 / 張 競
著者:張 競
出版社:ピラールプレス
装丁:単行本(408ページ)
発売日:2011-05-28
ISBN-10:4861940249 ISBN-13:978-4861940248
内容紹介:
読み巧者の中国人比較文学者が、13年の間に書いた書評を集大成。中国関係の本はもとより、さまざまな分野の本を紹介・批評した、世界をもっと広げるための"知"の読書案内。
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