心理療法における宗教性について
(要約版)
鈴木 康広
Suzuki Yasuhiro
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心理療法における宗教性について
第一部
宗教と心理学
宗教的啓示と心理学的洞察の対話
第二部
心理療法における宗教性について
事例研究を中心にして
鈴木康広
Suzuki Yasuhiro
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スイス留学中に死去した亡き母に本論文を捧げます。
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謝辞
スイスのユング研究所への留学を助言下さり、本論文のテーマを考えるきっかけを頂い
た故加藤清先生に感謝します。
日頃から薫陶、ご指導を頂いている故樋口和彦先生と論文主査の東山弘子先生、副査の
石原宏先生に感謝します。
最後に、留学中の心身ともにハードな生活を、共有し支えてくれた、妻・美奈と息子・
康太郎に何より感謝したいと思います。
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目次
謝辞 3
まえがき 7
はじめに 12
第一部
宗教と心理学:宗教的啓示と心理学的洞察の対話
第一章 宗教における啓示
1 インドの宗教 33
2 イランの宗教 40
3 アイオーン像 53
4 禅 60
5 この問題に関するユングのコメント 64
第二章 心理学における洞察
1 なぜ悟りは啓蒙的なのか 78
2 悟りは“目覚め”や否や 80
3 “涅槃”に対するユングの立ち位置 82
4 悟後の長養 84
5 宗教と心理学 86
6 一なる宇宙/中心力/仏性 90
7 日本人は悟り体験が好きなのか?なぜ?この関心を心理療法とどう結びつけたらい
いのか? 96
8 洞察の諸相 102
9 カイロスの意味 107
10 共時性の実践的意味 112
11 傷ついた治療者 117
12 自我(エゴ)は必要なのか 122
第三章 結論 126
おわりに 136
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第二部
心理療法における宗教性について:事例研究を中心にして
第一章 事例研究
事例一 137
夢分析と箱庭療法を併用して、個性化のプロセスを歩むことで抑鬱状態より回復した
中年女性
事例二 151
夢分析と描画療法を併用して、欝病より回復した30歳代女性
~描画でたどる癒しの過程~
事例三 162
抑鬱を主訴に来談された中年女性の箱庭療法におけるイニシエーション過程
~出会いと別れ、そして再出発~
事例四 164
不登校を機に事例化した14歳の統合失調症のケース~MSSM(相互ぐるぐる描き物
語統合 Mutual Scribble Story Making)法[山中 1984]を通して~
事例五 172
回復しナラティヴに自らを振り返った境界性人格障害のケース
~魂の「カルテ」~
第二章 結語 181
あとがき 184
文献 186
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心理療法における宗教性について
第一部
宗教と心理学
宗教的啓示と心理学的洞察の対話
第二部
心理療法における宗教性について
事例研究を中心にして
7
まえがき
私は「宗教と心理学」というテーマを「宗教的啓示と心理学的洞察の対話」という副題
のもとに第一部で考察していきたい。