2016/10/20

キリスト者の戦争論 [ 富岡 幸一郎 岡山 英雄 (著)


キリスト者の戦争論 [地引網新書] (地引網新書 1) 新書 – 2006/8/1
富岡 幸一郎 岡山 英雄 (著)
5つ星のうち 5.0    1 件のカスタマーレビュー
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新書
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商品の説明
著者からのコメント
「戦争」と「平和」の彼方へ
富岡幸一郎

 岡山英雄氏と「リバイバル新聞」で対談したのは、昨年の八月十五日のことであった。戦後六十年の夏、戦争と平和をめぐって、さまざまな議論がなされていたが、折りしも日本の敗戦の記念日に、このような対談の機会が与えられたことは意味深いものがあった。

 対談のひとつの中心は、現代において非戦論をキリスト教の信仰から、改めて考えてみることであった。二〇〇四年の九月に、『非戦論』という著書を書き下ろしで刊行したが、これは内村鑑三の非戦論を、現代の地平から積極的に考え直してみたいという意図によるものであった。その内容については岡山氏との対談でも触れたのでここでは繰り返さないが、二〇〇一年の九月十一日、アメリカで起こった同時多発テロと、その後のアフガニスタン、イラク戦争という二十一世紀の今日の現実にどう向き合うかという課題が当然あった。

 平和の祈りで幕を開けたはずの新しい世紀が、テロと戦争の応酬という「新しい戦争」の時代であることを、われわれは否応なく眼前にしている。パレスチナ問題が、その中心にあるのは言うまでもない。

 しかし、国際政治や地政学などの視点ではなく、キリスト教信仰の立場に立つ者として、この現実にいかに対峙するかが問われているのであり、これは教会・教派を超えた事柄であると思われる。そのようなときに、日本福音キリスト教会連合の教会の牧師であり、黙示録研究の第一人者である岡山氏と長時間にわたり、忌憚のない意見を交わし得たことは、まことに幸運であった。改革派の教会に属する私は、福音派の信仰について知るところが少なく、無知による誤解もあったので、非戦論と終末論をめぐって極めて根本的な話ができたのは大変ありがたかった。また、戦後六十年という歴史的場面を背景に、アメリカと日本の関係、国家と宗教などの社会的テーマにも自由に言及できたのはよかったと思う。 (提言の一部)

出版社からのコメント
 米国の強大な軍事力に守られつつ「平和憲法」を唱えてきた戦後の日本にあって、日本人キリスト者は「戦争」と「平和」へのメッセージを持ち得ているのか—。
 著書『小羊の王国』(いのちのことば社)で米国のキリスト教原理主義への痛烈な批判を加えた岡山英雄氏と、話題作『非戦論』(NTT出版)で内村鑑三やカール・バルトの信仰から現代における非戦を論じた富岡幸一郎氏が、聖書を基盤として「戦争」を語り合った。
 両者は、ローマ帝国の皇帝コンスタンチヌスがキリスト教を国教と定めて以降、キリスト教の戦争観が変わったとの共通認識を持つ。一方、靖国神社に関しては意見の相違が見えた。96頁と薄い本だが深い内容がある。

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登録情報
新書: 96ページ
出版社: 地引網出版 (2006/8/1)
ISBN-10: 4901634135
ISBN-13: 978-4901634137
発売日: 2006/8/1
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5つ星のうち 5.0キリスト教的戦争論
投稿者 akirapeach 投稿日 2006/8/27
形式: 新書
「朝まで生テレビ」で最近お目にかかるようになった富岡幸一郎氏。今、中東問題や靖国問題、アジアとの関係など日本も複雑な国際問題の中に置かれています。では、実際日本人でキリスト教徒の人はどのような意識でこれらの問題を考えているのか、1つの考え方としてとても興味深い本です。マスコミでは、アメリカのキリスト教保守派についてはよく報道されます。はたして、日本のキリスト教保守派はどのような考えなのか。国際問題などを考えるうえで1つの引き出しとして勉強になります。1つ、戦争中に起こった靖国神社強制参拝問題などを考えると、靖国神社の問題に関しては、同意しかねる部分もあります。また、対談ですので、同意するだけではなくしっかりと反論する部分も欲しかったです。
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