地質学者が文化地質学的に考える 人間に必要な三つのつながり Tankobon Hardcover – January 10, 2023
by 原田憲一 (著)
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著者について
一九四六年、山梨県甲府市に生まれる。
一九七〇年に京都大学理学部地質学鉱物学教室を卒業し、米国ウッズホール海洋学研究所へ留学。
一九七七年、京都大学大学院博士課程修了(理学博士号取得)後、一九七八年にアレキサンダー・フォン・フンボルト財団奨学研究員としてキール大学へ赴任。一九七九年、米国ワシントン州立大学地質学研究室客員講師を経て、一九八〇年に山形大学理学部地球科学科助教授となる。
二〇〇二年、京都造形芸術大学(現京都芸術大学)を経て、二〇一五年至誠館大学学長に就任、二〇一八年に退任。
比較文明学会会長、他を歴任し、現在に至る。
Product Details
Publisher : ヴィッセン出版 (January 10, 2023)
Publication date : January 10, 2023
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Taechang Kim
長い間いろんな場面で真摯丁寧な対話を交わしてきた日本人哲友の一人原田憲一至誠館大学前学長の最近著作. 読み終えて改めて思考発展のための良い刺激を受けた.
表紙に書かれている人間に必要なつながりとは、
- 地球とのつながり、
- 生き物とのつながり、そして
- 未来とのつながりである.
そのつながりを断絶破壊したのが他ならぬ西洋科学技術文明の基本である
偏った自然観(機械論的-原子論的自然観)と
人間観(人間中心主義的人間観)である
という観点と立場を明確化している.
著者は明言する.
"いわゆる科学的な説明は決して真理とはいえません
科学的手法が適用できる現象に関する、
現時点ではもっとも合理的だと思われる解釈なのです.
しかも、それは研究者が生まれ育ち、学び暮らしてきた文化と時代を反映していつのです." ( p. 25 )
Taechang Kim
特に、わたくし自身の個人的な関心を集中させたのは、<美の化石博物館>構想
の提案である. "人間とは何か" "人間はいかに生きたのか" をテーマにした芸術作品を世界各国から集めて深海底に沈め、一種の <美の化石>として地層に保存し、新知体に届けという計画である. いずれ人類が絶滅した後、何かのきっかけで <美の化石の 博物館>の扉を開いた新知体は瞬時に、これは人間からの贈り物だと理解し、人間は物欲に振り回されて絶滅の危機を迎えたが、芸術を通じて危機を克服し、高度な文明を何万年も維持したというメッセージを読み解き、人間の思いやりに感謝するとともに、その偉業を称えるはずではないか、と言うのである.