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文明と経営
村田晴夫著
定価 4,180円(税込)本体3,800円
A5判上製 340頁
2023年1月23日発行
文明と経営
村田晴夫著
定価 4,180円(税込)本体3,800円
A5判上製 340頁
2023年1月23日発行
経営学は新しい文明を開くことができる!
本書は、現代文明が人間性、文化多元性、環境に関わる三大問題を内包すると指摘する。これらは、近代以降の文明の特徴である機械論の論理に起因する「具体性置き違いの誤謬」(ホワイトヘッド)によって生じる。それは「生きている」世界を極度に抽象化するため、著者は「有機体の哲学」に立脚し、具体性をとりもどす新しい経営学の方法を示す。
主要目次
序 章 〈文明と経営〉―新しい文明を開く新しい経営学―
第1部 転機に立つ現代文明―その経営学的諸相への展開―
第1章 近代文明の転機と経営学の成立
第2章 〈文明と経営〉、その新しい理論に向けて
第3章 〈文明と経営〉、その哲学的展望―経営学における具体性とは何か―
第2部 現代文明が抱懐する三大問題―人間性、文化多元性、環境の問題―
第4章 人間協働と自由、そして組織の文明論的平安について
第5章 責任経営文明の探求―人間・社会・自然における企業の地位―
第6章 組織と時間ー具体性を置き違える文明を批判せよ―
第3部 未来の文明と経営学
第7章 経営学の未来
第8章 有機体の論理―バーナード理論から見えるその可能性―
結 章 組織倫理学とは何か―平和に向けて〈文明と経営〉を考える―
付録1 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
付録2 フォレットの経営思想―「分断の時代に説かれる「統合」の思想」―
付録3 バーナード理論と有機体の論理
付録4 組織倫理学の構想
Taechang Kim
一読しながら注目した語と文たち.
"新しい文明を開く新しい経営学" ( p. 2 )
"方法論的個人主義から方法論的有機体主義への転換"
( p. 3. )
"方法論的有機体主義はホワイトヘッドの '有機体の哲学'
を踏まえた学の方法であって、研究対象は有機体、つまり生き物、と考えるところから出発する. '有機体'(いきもの) をどのように表現するか、いろいろ模索が続いたが 全体性、能動性、過程性の三条件で説明すれば十分であることに気づかされたのである. バーナードの
人間観、フォレットの '創造的経験' から全体性と能動性、フォワイトヘッドからは過程性を含めて、それらのすべてを、というように...."( p. 4.)
"わたくし(著者)の主張あるいは予想は '現代文明は構造化の時代に入った' というものである. 近代文明の危機は
次の三つの問題から迫ってくる. 1地球環境問題、2平和の問題、そして3人間の問題. それらの諸問題が生起した原因は近代文明それ自体の有りよう、現代企業文明にある. それゆえ、近代文明の基礎を変えて、方法論的有機体主義を基盤に据えた文明を導入しなければならない." ( p. 7 )
"文明は次の五種類の '質' に
おいて一定の条件を満たすものを言う. 五種類の '質' :
真、美、冒険、芸術、平安
peace. ( p. 12. )
"いわゆる善は美に従属する.
真的美Truthful Beautyが重要である. ( p. 13 )
ホワイトヘッドの有機体の哲学は、<現実に存在するものはすべて、主体が諸多manyの客体をひとつoneに
統合する過程として実在する> するということを基本とした宇宙観として打ち立てられた. これを簡単に、物的極と心的極の統合プロセスという. ( p. 14 )
-----
"<文明> という名辞は、人々の社会生活の様式として現れるものの総体に対して与えられているのであり、したがってそれを生み出すことを可能にする社会の力こそ文明の本質であるといわなければならない. そのような社会の力は <知> と <技> に基づいており、生活の形式を基礎として構築された社会の諸洋式となって現れる. 文明は <知> と<技> に基づくといわれた. <知> と
<技> の結合を効果あらしめるのは人間の <考える>力である. すなわち文明は人間の最も人間らしい機能 '考える'
という特徴によって生成発展した社会生活、環境のシステムである. ここで社会生活といっているのは、生活の私的な部分を除いた公的な部分を強調するためである. しかし考える力は必要であっても、文明を豊かなものへと導く力はそれのみではない. <美>へと通じるあの
情的知、美的直観といった
美的センスもまた重要な役割を担うのではなかろうか...文明の特質には真理と美に加えて、それらの一体化ともいうべき、あるいは真理性と美の融合ともいうべき境地への開けもまたけいけんされるところであ
る." (p. 32. )
第1部 転機に立つ現代文明―その経営学的諸相への展開―
第1章 近代文明の転機と経営学の成立
第2章 〈文明と経営〉、その新しい理論に向けて
第3章 〈文明と経営〉、その哲学的展望―経営学における具体性とは何か―
第2部 現代文明が抱懐する三大問題―人間性、文化多元性、環境の問題―
第4章 人間協働と自由、そして組織の文明論的平安について
第5章 責任経営文明の探求―人間・社会・自然における企業の地位―
第6章 組織と時間ー具体性を置き違える文明を批判せよ―
第3部 未来の文明と経営学
第7章 経営学の未来
第8章 有機体の論理―バーナード理論から見えるその可能性―
結 章 組織倫理学とは何か―平和に向けて〈文明と経営〉を考える―
付録1 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
付録2 フォレットの経営思想―「分断の時代に説かれる「統合」の思想」―
付録3 バーナード理論と有機体の論理
付録4 組織倫理学の構想
Taechang Kim
一読しながら注目した語と文たち.
"新しい文明を開く新しい経営学" ( p. 2 )
"方法論的個人主義から方法論的有機体主義への転換"
( p. 3. )
"方法論的有機体主義はホワイトヘッドの '有機体の哲学'
を踏まえた学の方法であって、研究対象は有機体、つまり生き物、と考えるところから出発する. '有機体'(いきもの) をどのように表現するか、いろいろ模索が続いたが 全体性、能動性、過程性の三条件で説明すれば十分であることに気づかされたのである. バーナードの
人間観、フォレットの '創造的経験' から全体性と能動性、フォワイトヘッドからは過程性を含めて、それらのすべてを、というように...."( p. 4.)
"わたくし(著者)の主張あるいは予想は '現代文明は構造化の時代に入った' というものである. 近代文明の危機は
次の三つの問題から迫ってくる. 1地球環境問題、2平和の問題、そして3人間の問題. それらの諸問題が生起した原因は近代文明それ自体の有りよう、現代企業文明にある. それゆえ、近代文明の基礎を変えて、方法論的有機体主義を基盤に据えた文明を導入しなければならない." ( p. 7 )
"文明は次の五種類の '質' に
おいて一定の条件を満たすものを言う. 五種類の '質' :
真、美、冒険、芸術、平安
peace. ( p. 12. )
"いわゆる善は美に従属する.
真的美Truthful Beautyが重要である. ( p. 13 )
ホワイトヘッドの有機体の哲学は、<現実に存在するものはすべて、主体が諸多manyの客体をひとつoneに
統合する過程として実在する> するということを基本とした宇宙観として打ち立てられた. これを簡単に、物的極と心的極の統合プロセスという. ( p. 14 )
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"<文明> という名辞は、人々の社会生活の様式として現れるものの総体に対して与えられているのであり、したがってそれを生み出すことを可能にする社会の力こそ文明の本質であるといわなければならない. そのような社会の力は <知> と <技> に基づいており、生活の形式を基礎として構築された社会の諸洋式となって現れる. 文明は <知> と<技> に基づくといわれた. <知> と
<技> の結合を効果あらしめるのは人間の <考える>力である. すなわち文明は人間の最も人間らしい機能 '考える'
という特徴によって生成発展した社会生活、環境のシステムである. ここで社会生活といっているのは、生活の私的な部分を除いた公的な部分を強調するためである. しかし考える力は必要であっても、文明を豊かなものへと導く力はそれのみではない. <美>へと通じるあの
情的知、美的直観といった
美的センスもまた重要な役割を担うのではなかろうか...文明の特質には真理と美に加えて、それらの一体化ともいうべき、あるいは真理性と美の融合ともいうべき境地への開けもまたけいけんされるところであ
る." (p. 32. )