2021/02/19

生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書): 大谷 崇: 本

Amazon.co.jp: 生まれてきたことが苦しいあなたに 最強のペシミスト・シオランの思想 (星海社新書): 大谷 崇: 本


ペシミズムとは「生きる知恵」である

「ペシミストたちの王」シオラン。この陰鬱な思想家の思索と執筆は、つねに厭世的なことがらに捧げられてきた。怠惰、死、自殺、憎悪
、衰弱、病気、人生のむなしさ、生まれてきたことの苦悩……。ことほどさように、シオランは「暗い」。しかし、あるいはだからこそ、彼の清々しいほどに暗い言葉の数々は、生まれ生きることに苦しみを抱く私たちが人生を楽にし、生き延びるために役に立つ。本書は、気鋭のシオラン研究者が、彼の言葉と時に批判的に伴走しながらその思想をひもといた、待望のモノグラフである。いまこそ読まれるべき、魅惑的な思想家のすべて。



内容(「BOOK」データベースより)
ペシミズムとは「生きる知恵」である。「ペシミストたちの王」シオラン。この陰鬱な思想家の思索と執筆は、つねに厭世的なことがらに捧げられてきた。怠惰、死、自殺、憎悪、衰弱、病気、人生のむなしさ、生まれてきたことの苦悩…。ことほどさように、シオランは「暗い」。しかし、あるいはだからこそ、彼の清々しいほどに暗い言葉の数々は、生まれ生きることに苦しみを抱く私たちが人生を楽にし、生き延びるために役に立つ。本書は、気鋭のシオラン研究者が、彼の言葉と時に批判的に伴走しながらその思想をひもといた、待望のモノグラフである。いまこそ読まれるべき、魅惑的な思想家のすべて。
著者について
大谷 崇
1987年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学第一文学部総合人文学科哲学専修卒業。同大院文学研究科人文科学専攻哲学コース博士後期課程在籍中。2018年よりルーマニア国立バベシュ・ボヤイ大学に留学中。戦間期ルーマニア思想史およびシオランの思想を専門とする。おもな著作に、共著『交域する哲学』(月曜社、2018年)、論文「精神の敵対者としての政治:戦間期ルーマニア若手知識人の「政治」および「精神」概念の分析」(『東欧史研究』第41号、2019年3月)などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大谷/崇
ルーマニア思想史研究者。1987年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学第一文学部総合人文学科哲学専修卒業。同大院文学研究科人文科学専攻哲学コース博士後期課程在籍中。2018年よりルーマニア国立バベシュ・ボヤイ大学に留学中。戦間期ルーマニア思想史およびシオランの思想を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Product Details

Publisher : 星海社 (December 27, 2019)
Publication date : December 27, 2019
Language : Japanese
Paperback Shinsho : 352 pages
ISBN-10 : 4065151627
ISBN-13 : 978-4065151624
Dimensions : 4.21 x 0.63 x 6.81 inches
Amazon Bestseller: #10,951 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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#66 in Philosophy (Japanese Books)
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4.0 out of 5 stars シオラン未読者にも愛読者にもオススメできますReviewed in Japan on January 1, 2020
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シオランの解説書がポップな表紙の新書で出版されること自体が驚きだが、(私のような)気難しいシオランの愛読者がそれを歓迎するかはわからない。
シオランが現代のニーチェのように毒気を抜かれサプリメントの如く摂取される存在になるのを想像するのはぞっとしないことだから。

さて一読しての感想は、まずファンでも知らないようなシオランのエピソードも書かれていて素直に興味深かった。
しかし、シオランの「思想」というものは確かに平たく解説してしまえば本書のようなものだが、彼の著作に触れた時の重要なニュアンスが失われていることは否めない。
だが著者の大谷氏もおそらくそれは十分承知の上でシオランを知らない読者に向けて間口を広げる為、多くの引用をしつつ紹介の役割を果たさんとしており、それは成功していると思う。

まえがきにもあるようにシオラン自身が嫌悪した「解説」や「批評」につきものの害悪と退屈さをわかった上で、著者個人の体験や感情を隠さず書いてある部分にはとても好感を持った。
(それをしていなければまさにシオランが嫌った「解説者連中」そのものになってしまうのだから!)

結局のところシオランに向き合うやり方は一人一人固有のものでしか有り得ず、また彼の「思想」そのものがそれを主張している。
この本でシオランに興味を持った方は是非シオランその人の著作にも触れて欲しいと思う。
シオランが彼だけの運命に襲われたように、私たちもまた個別の運命に襲われるしかないと知るだろう。

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kitchenAlchemist

5.0 out of 5 stars 本物の凄みReviewed in Japan on December 27, 2019

この本にはキレイごとやウソがない。本物の、混じりっ気のない、純度百%の突き抜けた悲観主義。
憂鬱な顔をしながら淡々と語る彼だが、その眼の奥には確かに炎がある。僕と同じ病を持つ者だけ見える炎が。
僕はこの本で救われた。願わくば貴方には無用な本であってほしい。

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ほろのぶ

TOP 500 REVIEWER
4.0 out of 5 stars 入門としては良いが、矛盾したシオランを語るには「一貫性」にこだわりすぎている点が難点。Reviewed in Japan on February 11, 2020
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著者は相当シオランが好きな様だ。勿論私もそうだ。シオランが好きなのは思想もそうなのだが、実はそれ以上に「文体」と言葉の「編集」が飛びぬけて良いのだ。絶対にあり得なかったことだが、この人がもし小説など書いてしまえば、ショーペンハウアー以上に有名になったには違いない。「

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kyoro_200x

4.0 out of 5 stars 解脱できないペシミストReviewed in Japan on March 16, 2020
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シオランなど最近読んでいる人はいないだろうと思っていたが、わざわざ母国のルーマニアに留学してまで研究している人がいるということで興味をもった。
シオランは、主著『生誕の災厄』のとおり、ヨーロッパにおいて仏教的な考えをした人物だが(ニーチェやショーペンハウアー経由と思われる)、キリスト教圏の文化の中で生まれ、生誕が災厄であるという発想に行き着くのが改めて面白い。「死によって人間は、存在を開始する以前の状態に戻るにすぎない、というのがもし真実なら、純粋な可能性を固守して、そこから身じろぎもしないほうがよかったのではないか?」(『生誕の災厄』192頁、本書113頁)というような発想は、仏教的に考えれば極めて自然だが、キリスト教的に考えると極めて不自然である。実際、シオランによれば、ブッダの教説とボードレールの詩ならば、ヨーロッパ人はボードレールの詩を断然選ぶということである(320頁)。去年『現代思想』でも、反出生主義が特集されていたようだが、本書の出版は、そういう意味でもタイムリーなのかもしれない。
シオランの思想は、「最強のペシミスト」と副題にあるように、様々な主題に対してネガティヴな話ばかりだが、それが結局ポジティヴにつながるという逆説が多い。「死んだほうがよいと思ったときにいつでも死ねる力があるからこそ、わたしは生きている。自殺という観念をもたなかったら、ずっと以前にわたしは自殺していたであろう」(『苦渋の三段論法』78頁、本書102頁)などといった話は、その最たる例である。自殺や憎しみ、怠惰とったものですら、シオランにとってみれば、ポジティヴなものへと変わるところがある。
ところで、読んでいて思ったのは、ニーチェの永劫回帰でもJa-Sagenでも、カミュの『シーシュポスの神話』でも良いが、こういう話では決まって「敗者」が生を肯定的に捉える必要性を説いているように感じられる。しかし、以前から感じているが、こういう困難自体は生に悩みをもたない「勝者」には無縁であるように思われる。そのため、シオランは、「死は、失敗の好みを持ち、天分を持つような人間の庇護者である。成功を収めなかった者、成功への執念を燃やさなかったすべての者にとっては、一個の褒章である。…死はその種の人間のほうに理ありとする。死は彼らの勝利なのだ。逆に死は、成功のために骨身を削り、ついに成功を収めた人間たちにとって、なんという残酷な否認、なんという痛烈な平手打ちであることか!」(『生誕の災厄』258頁、本書262頁)というように両面に目配りをした主張をしている。
最近、星海社新書は、隠岐さや香『文系と理系はなぜ分かれたのか』や木澤佐登志『ニック・ランドと新反動主義』 など、それなりに売れる良質な思想関係書を出しているような気がする。隠岐さや香はいうまでもないが、本書も曲がりなりにも、学術論文などを出典としており、新書にしてはそれなりに信用が置ける。

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もっしゃん

4.0 out of 5 stars シオランの入門書としてReviewed in Japan on January 7, 2020
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哲学とは無縁の生活を送ってきましたが、アマゾンのおすすめに出てきた本書を購入してみました。
モヤモヤが晴れたわけではないのですが、シオランを知れたという点でかなり有意義な本です。
前向きポジティブ人間ではないので楽しく読めました。
万人におすすめできる本ではないのですが、タイトルを見て惹かれる方であれば楽しく?読めるのではないかなと思います。
バカ売れするタイプの本ではないのですが、刺さる人には刺さると思いますよ。

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まあ

5.0 out of 5 stars 死にたいときに読んで欲しいReviewed in Japan on June 6, 2020
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こんなふうに考えているのが自分だけじゃなくて良かったと思えた。

落ち込んでいるときに読むと寄り添ってくれる感じがして前向きになれる。

思っていることを全て代弁してくれて、共感しまくりでした。

死にたいときによむと
死ななくてもいいかもと思えます。

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b0l31034

1.0 out of 5 stars 一部日本語がおかしい、もしくは表現が甘いReviewed in Japan on April 19, 2020
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この著者の日本語能力を疑います。たとえばp.42の「こうして出会った二人は、〜最後には同じ墓石の下に眠りにつくことになるだろう」とか、文章の始まりと終わりが文法としておかしい。出版前に誰も注意しなかったのか。

まるで勉強不足の学芸員に、慣れない美術作品の紹介をされているような、落ち着きのなさ。それがこの本一体に漂っています。
シオランの原本にとっとと当たった方が良いかと。

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Kindleのお客様

5.0 out of 5 stars ありがとうReviewed in Japan on February 21, 2020
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この本によって救われる人間は確かに存在しました。

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