2021/02/19

Amazon.co.jp: 生命学をひらく 自分と向きあう「いのち」の思想: 森岡 正博: 本

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生命学をひらく 自分と向きあう「いのち」の思想 (Japanese) Tankobon Softcover – July 10, 2005
by 森岡 正博  (著)
4.1 out of 5 stars    4 ratings
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Tankobon Softcover
¥253 
27 Used from ¥116

脳死臓器移植、出生前診断などをめぐり従来の生命倫理に抗して全く新しく展開してきた、森岡生命学。
その全体像とエッセンスが誰にもよく判る講義集。自分を棚上げにした思想や、旧来の学問の枠組みを打ち破る森岡正博の魅力が全開する、本物の「知の教科書」

Product description
著者からのコメント
とりあえず本書を読んでみて欲しい 森岡正博
「いのち」と「こころ」の問題を、新しい角度から、できるだけわかりやすく語ってみたい。そういう思いから、この本『生命学をひらく』は生まれました。
 
死にゆく人の看護について、親子の愛情について、生まれてくるいのちの選択について、「ひきこもり」について、気持ちよさを求めて突き進んでいく現代社会の姿について、私がいま考えていることを全力で語ってみました。「生命学」とは、それらの問題について、けっして自分自身を棚上げにせずに考えていくやり方のことです。まだ聞き慣れない言葉だと思いますが、このような発想が、これからますます必要になってくるはずです。
 
この本は、ここ一〇年のあいだの講演記録をもとに、編集しなおしたものです。
 
第一章は、名古屋の予備校で、看護師さんをめざす生徒さんたちを前にして、死にゆく人の「いのち」とどう関わるかについてしゃべったものです。これからの福祉社会を担っていく若い人たちに、ぜひ聞いてほしいと思って、語りました。私が読者のみなさんに伝えたいことは、ここに凝縮されています。
 
第二章は、東京の大学で、「条件付きの愛」と「無条件の愛」についてしゃべったときのものです。愛という名のもとに、私たちは大切な人の人生を縛っているのではないか、というようなことを考えてみました。
 
第三章は、大阪の大学で、母親的な愛情からどうやって抜け出せばいいのか、共感はほんとうに可能なのかということについてしゃべったものです。これには、その後、多くの反響がありました。同じような悩みをかかえている人が多いことを痛感しました。
 
第四章は、京都の医師の集まりで、無痛文明について講演したものです。科学技術は我々を幸せにするのかという大問題について考えてみました。
 
第五章は、東京の「ひきこもり」についての会で講演したときの記録です。私自身の体験や、失敗談などを交えながら、人と人のコミュニケーションについて考えてみました。「ひきこもり」とは、無痛化する社会に対する無言の抵抗かもしれないと強く思いました。
 
第六章は、東京の生命科学の研究所で、なぜ「生命学」が必要かについてしゃべったものです。これをお読みになれば、どうして私が生命倫理学をやめて、生命学に移ってきたのかがよくわかると思います。
 
第七章は、北陸のお寺で話したときのものです。脳死の人を死んでいると思えない人がいるのはなぜなのか、中絶をどういうふうにとらえればいいのか、などについて考えました。
 
第八章は、東京の大学でしゃべったときのもので、日本の生命倫理の流れを解説しながら、一九七〇年代に女性と障害者たちが訴えてきたことの重要性についてしゃべってみました。「自己否定」から「自己肯定」へ、というそのテーマは、いまなお生命学を貫く大きな主題なのです。
 
最終章では、生命学のこれからの展望について述べてみました。
 以前からよく言われるのですが、私の書いたものはなんだか繰り返しが多くて読みにくいが、私が講演でしゃべったものは、簡潔で、まったく別人のようにわかりやすいとのことです。この本は、その講演をもとにしたものですから、きっと読者のみなさんもリラックスして読んでいただけることでしょう。また、授業や学習会で「いのち」と「こころ」の問題を考えていくときの、テキストブックとしても使えるかもしれません。

 この本で私が語ったテーマについて、もっとくわしく知りたい方は、ぜひ『無痛文明論』(トランスビュー 二〇〇三年)と『生命学に何ができるか』(勁草書房 二〇〇一年)を読んでみてください。この本では触れることのできなかった私の考え方が、述べられています。また、その二冊をすでに読んでおられる方は、そこで語られたテーマを別の角度から切り取ったらどうなるかという視点で、本書をお読みいただけると、また別の楽しみを味わえるのではないかと思います。

内容(「BOOK」データベースより)
いのちって何だ!終末期医療、遺伝子操作からひきこもり、無痛文明論まで、自分を棚上げにすることなく「いのち」の問題を探求する。森岡〈生命学〉の冒険、決定版入門書。
著者について
1958年、高知県生まれ。1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得(倫理学)。現在、大阪府立大学総合科学部教授。研究テーマは、生命学・哲学・科学論。従来の人文学の枠組みを大胆に改変し領域を押し広げ、自らを棚上げすることなく思考を展開した著作は一作ごとに大きな反響を呼んでいる
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森岡/正博
1958年生まれ。1988年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得(倫理学)。大阪府立大学人間社会学部教授。研究テーマは、生命学・哲学・科学論。従来の客観的な学問の枠組を超えて、自らを棚上げすることなく果敢かつオリジナルな思索を展開、人文学の領域を大きく押し広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Product Details
Publisher : トランスビュー (July 10, 2005)
Publication date : July 10, 2005
Language : Japanese
Tankobon Softcover : 194 pages
lonesome-cowboy
5.0 out of 5 stars いまここに生きる私を問う
Reviewed in Japan on July 5, 2005
Verified Purchase
「いのち」を巡る問いに正解は存在しない。一人一人が自分の経験を通して、一生考え続け、その瞬間瞬間に自分だけの答えを示してゆくことしかできない。それは決して楽な作業ではない。著者は言う。人はハッピーなときは、あまり学ばない。人は大事なことをずたずたになりながら学ぶんだ、と。今、私はまさに、生や死の問題に思い悩み、自分の存在の意味を模索し続けている状態だ。本書を読み、私は、苦しみに満ちた今の日々を「いのち」の思索に捧げようと決意した。著者の提唱する「生命学」は、私の人生そのものかもしれないとさえ感じた。

「いのち」の思想は他人事ではない。常にそれは自分自身の問題として現れる。更に言えば、他人の「いのち」は語ることができないし、語ってはならない。わからないことはわからないとはっきり言うしかない。そして、そこで開き直ってしまうのではなく、必死になって踏ん張らなければならない。脳死、引きこもり、人工妊娠中絶、フェミニズム、…正直、私はこれらの問題に関して、何が本当に正しいのかよくわからない。だが、そうして「わからない、でも何かがおかしい」とはっきり直観するところから「生命学」はスタートする。それらの問題をどれだけ自分のもとに引き寄せ、自分の言葉で語ることができるか、それが何より重要なのだ。

本書は、著者の講演をまとめたものである。著者の代表作『生命学に何ができるか』『無痛文明論』のエッセンスを取り込みながら、それらの著作においては触れられなかったことにも言及されていて大変興味深い。また、「生命学とは何か?」という素朴な疑問に対しても、著者による現時点での回答がわかりやすく提示されている。
  
本書を読んで私は救われた。と同時にどう生きてゆけばいいのか、ますますわからなくなった。この2つの感情は互いに矛盾している。しかし、そのどちらも私にとっては紛れもない真実なのである。
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小谷野敦
1.0 out of 5 stars 学者失格
Reviewed in Japan on June 16, 2007
 森岡正博は、「条件付きの愛」はいかんと言う。それは元来、出生前診断によって、障害があると分かった胎児を中絶するかどうかという問題であった。そういう具体事例は具体事例にとどめおくべきである。しかし森岡を含むダメ学者は、それを一般化しようとして、果てはそれを男女間の恋愛にまで当てはめる。そして、男女間では相手を選んでいるのだから、条件抜きの愛などありえないだろうと私が批判すると、「始めは条件付きでも、次第に条件抜きになっていくのだ」とわけの分からないことを言う(『無痛文明論』)。本書は講演集だが、どこを見ても中途半端、ただこの手の問題を持ち出して、さあ考えましょう、である。こういうのは「学問」ではない。森岡は即刻学者をやめて、伝道家にでもなるがいいのである。
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Amazonカスタマー
1.0 out of 5 stars レビュー
Reviewed in Japan on August 14, 2017
いのちというものに対する著者の無責任な見解の数々

わたしは呆れ果ててしまうのでした
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