「紙上の教会」と日本近代――無教会キリスト教の歴史社会学 | 赤江 達也 |本 | 通販 | Amazon
「紙上の教会」と日本近代――無教会キリスト教の歴史社会学 単行本 – 2013/6/27
赤江 達也 (著)
5つ星のうち 4.7 3件のカスタマーレビュー
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内容紹介
明治以降、日本のキリスト教信徒数は人口の一%前後にとどまるが、その中で内村鑑三に始まる無教会派は独自の存在感をもつ。教会・組織・制度をもたず、雑誌・書籍等の「紙上の教会」を媒介としながら、それが天皇制、マルクス主義、戦後啓蒙、社会科学の導入といった日本近代の重要課題との関係で果たした役割を明らかにした労作。
内容(「BOOK」データベースより)
西洋の衝撃とともに成立した日本近代。その軋みの中で不敬事件を通過した内村鑑三は、無教会なるキリスト教を唱えはじめる。教会・組織・制度をもたず、雑誌・書籍等の「紙上の教会」を媒介とする無教会キリスト教―それが天皇制、大正教養主義、戦争とナショナリズム、戦後啓蒙、社会科学の導入といった日本近代の重要課題との関係で果たしたユニークな役割を、思想史とメディア史の交点から立体的に論じる。
第1章 無教会の出現(信仰と愛国―内村鑑三と不敬事件
紙上の教会―無教会運動の初期構想
「無教会」の存在論―読者たちの宗教運動)
第2章 無教会の戦争(教養と宗教―大正教養主義と無教会運動の継承
民族の救済―矢内原忠雄の学問・信仰・政治
第3章 無教会の戦後(啓蒙の精神―南原繁、矢内原忠雄の宗教的啓蒙
正統と異端―キリスト教ブームと無教会運動の拡大
「無教会」のゆくえ―戦後社会科学の宗教運動)
終章 「紙上の教会」の日本近代(読者宗教という視座
教養宗教・文芸的公共圏・ナショナリズム
無教会と宗教の近代)
単行本: 368ページ
出版社: 岩波書店 (2013/6/27)
言語: 日本語
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5つ星のうち 4.0「歴史」的社会学の成果
投稿者 ヨーヨー魔 投稿日 2013/8/3
形式: 単行本
読み物としても大変興味深い作品であり、新教や教文館あるいは数多ある無教会系出版社からの研究が一般には入手し難いことを鑑みたら、刊行によって得られるメリットも大きい。ただ、内村や矢内原の言説を『全集』に頼っている手法など、やはり史料批判の原点に立脚して欲しかった。矢内原の初出など、伏字も散見されるのであるから。
コメント 3人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?
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5つ星のうち 5.0マイノリティが分裂してよりマイノリティに
投稿者 lm700j 投稿日 2014/2/21
形式: 単行本
なんというか東大生しばりの同好会的なところが
宗教的救済よりも理屈での連帯なんだよね
だから同好会の中に非キリスト教徒が参加してて
それについて揉めたりする、という不思議なことが起きる
天皇制の元での自由な国を目指したオールドリベラルも多く
後世からは誤解されるところも多々あったようだ
その中でも東大学長だった矢内原忠雄はそのいい例で
大学の自治は守るけど学生運動側にも毅然とした態度を示した
で、天皇陛下がキリスト教に改宗すれば日本の未来は明るい
というよく分からない期待をして裏切られるのである
愛国心と信仰心の問題というのも極めて難しいんだけど
内村鑑三不敬事件なんかで見るように
並立しうるという妥協もあれば妥協しない道もある
マイノリティが分裂してよりマイノリティに
翻ってみれば自分の周囲でも若干はキリスト教の人がいるけど
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「紙上の教会」と日本近代――無教会キリスト教の歴史社会学 単行本 – 2013/6/27
赤江 達也 (著)
5つ星のうち 4.7 3件のカスタマーレビュー
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内容紹介
明治以降、日本のキリスト教信徒数は人口の一%前後にとどまるが、その中で内村鑑三に始まる無教会派は独自の存在感をもつ。教会・組織・制度をもたず、雑誌・書籍等の「紙上の教会」を媒介としながら、それが天皇制、マルクス主義、戦後啓蒙、社会科学の導入といった日本近代の重要課題との関係で果たした役割を明らかにした労作。
内容(「BOOK」データベースより)
西洋の衝撃とともに成立した日本近代。その軋みの中で不敬事件を通過した内村鑑三は、無教会なるキリスト教を唱えはじめる。教会・組織・制度をもたず、雑誌・書籍等の「紙上の教会」を媒介とする無教会キリスト教―それが天皇制、大正教養主義、戦争とナショナリズム、戦後啓蒙、社会科学の導入といった日本近代の重要課題との関係で果たしたユニークな役割を、思想史とメディア史の交点から立体的に論じる。
西洋の衝撃とともに成立した日本近代。その軋みの中で不敬事件を通過した内村鑑三は、無教会なるキリスト教を唱えはじめる。教会・組織・制度をもたず、雑誌・書籍等の「紙上の教会」を媒介とする無教会キリスト教―それが天皇制、大正教養主義、戦争とナショナリズム、戦後啓蒙、社会科学の導入といった日本近代の重要課題との関係で果たしたユニークな役割を、思想史とメディア史の交点から立体的に論じる。
[目次]
序章 無教会キリスト教とは何か(教会への問い、近代への問い
無教会の社会性をめぐって―先行研究の検討
歴史社会学という方法)
無教会の社会性をめぐって―先行研究の検討
歴史社会学という方法)
第1章 無教会の出現(信仰と愛国―内村鑑三と不敬事件
紙上の教会―無教会運動の初期構想
「無教会」の存在論―読者たちの宗教運動)
第2章 無教会の戦争(教養と宗教―大正教養主義と無教会運動の継承
民族の救済―矢内原忠雄の学問・信仰・政治
「無教会」の境界線―キリスト教ナショナリズムの臨界)
第3章 無教会の戦後(啓蒙の精神―南原繁、矢内原忠雄の宗教的啓蒙
正統と異端―キリスト教ブームと無教会運動の拡大
「無教会」のゆくえ―戦後社会科学の宗教運動)
終章 「紙上の教会」の日本近代(読者宗教という視座
教養宗教・文芸的公共圏・ナショナリズム
無教会と宗教の近代)
著者紹介
単行本: 368ページ
出版社: 岩波書店 (2013/6/27)
言語: 日本語
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5つ星のうち 4.0「歴史」的社会学の成果
投稿者 ヨーヨー魔 投稿日 2013/8/3
形式: 単行本
読み物としても大変興味深い作品であり、新教や教文館あるいは数多ある無教会系出版社からの研究が一般には入手し難いことを鑑みたら、刊行によって得られるメリットも大きい。ただ、内村や矢内原の言説を『全集』に頼っている手法など、やはり史料批判の原点に立脚して欲しかった。矢内原の初出など、伏字も散見されるのであるから。
コメント 3人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?
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5つ星のうち 5.0マイノリティが分裂してよりマイノリティに
投稿者 lm700j 投稿日 2014/2/21
形式: 単行本
なんというか東大生しばりの同好会的なところが
宗教的救済よりも理屈での連帯なんだよね
だから同好会の中に非キリスト教徒が参加してて
それについて揉めたりする、という不思議なことが起きる
天皇制の元での自由な国を目指したオールドリベラルも多く
後世からは誤解されるところも多々あったようだ
その中でも東大学長だった矢内原忠雄はそのいい例で
大学の自治は守るけど学生運動側にも毅然とした態度を示した
で、天皇陛下がキリスト教に改宗すれば日本の未来は明るい
というよく分からない期待をして裏切られるのである
愛国心と信仰心の問題というのも極めて難しいんだけど
内村鑑三不敬事件なんかで見るように
並立しうるという妥協もあれば妥協しない道もある
マイノリティが分裂してよりマイノリティに
翻ってみれば自分の周囲でも若干はキリスト教の人がいるけど
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