腸内共生系のバイオサイエンス 2011
本書では2つの魅力的なテーマが語られている。1つは共生、もう1つは腸内。このキーワードにはワクワクさせられる。何故だろう。
腸管は嫌気的である。エネルギー効率の低い地球上に生命が誕生した直後の状態に似ている。ヒトはテニスコートほどの広さの腸管をもち、ここに数百種もの細菌が100兆個も住み着いて、ヒトと共生し、また細菌同士も共生している。この「内なる環境」がどのようにして形成され、どのようにして維持されているのか。そして、人の健康はどのような影響を受けているのか。
本書はこのような重要なテーマを「腸内共生系のバイオサイエンス」として統括している。そして、この分野において第一線で活躍されている研究者にご執筆いただいた。
このような内容をもつ解説書はわが国ばかりではなく、世界にも類を見ない。
A5版 312頁
■ 定価:7,480円(税込)
■ 編集:上野川修一,清野 宏
■ 発行:丸善出版(株)
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腸内共生系のバイオサイエンス 単行本(ソフトカバー) – 2011/5/24
日本ビフィズス菌センター (編集)
5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価
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「最大の免疫臓器」、「最大の共生の場」といわれる腸。
その共生の破綻は免疫系をはじめとした各系の異常をもたらし、
癌やアレルギーなど多くの難病発症のリスクを高めることも明らかになっています。
本書では、第一線で活躍している研究者が
続々と明らかとなっている腸内細菌に関する
最新の研究データを盛り込み執筆しています。
腸内共生系における相互作用の解明は
21世紀における生命科学の最重要課題といわれる中
この分野の研究のみではなく、関連分野の研究者
そして腸内細菌と健康の関係に興味を抱く方々も必読の一冊です。
1章 共生への準備 胎生期から出生後の短期間における発達を中心に
2章 共生の始まり 出生後から離乳期までの数ヶ月間における発達を中心に
3章 共生の場
4章 共生の成立・維持に係る腸内細菌 宿主機能にはたらく腸内菌叢
5章 共生の成立・維持における宿主機能 腸内生態系を調整する消化管防御システム
6章 腸内共生系の破綻と疾病
7章 進化における腸内細菌と宿主動物(共進化)
8章 プロ/プレバイオティクスおよび抗生物質による腸内共生への介入