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迫田 さやか
不倫―実証分析が示す全貌 (中公新書 2737) Paperback Shinsho – January 19, 2023
by 五十嵐 彰 (Author), 迫田 さやか (Author)
3.8 3.8 out of 5 stars (64)
配偶者以外との性交渉を指す「不倫」。毎週のように有名人がスクープされる関心事である一方、客観的な情報は乏しい。経済学者と社会学者が総合調査を敢行し、海外での研究もふまえて全体像を明らかにした。何%が経験者か、どんな人が何を求めてどんな相手とするか、どの程度の期間続いてなぜ終わるか、家族にどんな影響があるか、バッシングするのはどんな人か。イメージが先行しがちなテーマに実証的に迫る。
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From Japan
- Reviewed in Japan on April 12, 2025まえがきに、6651人のデータがあり、
それを分析して本書を書いたとありま
す。客観的なデータとそこからの分析
なので信頼がおける思っていいはずで
す。
多岐にわたる分析結果に興味をもちま
した、One person found this helpfulReportHelpfulTranslate review to English - Reviewed in Japan on June 15, 2025これは旦那に表紙を見せるために(意地悪w)購入しました。
旦那は、1年半以上も不倫同棲をしていたので
私と別れて不倫相手の子ども位子と結婚すれば良かったのに…と思いながら泣きながら読みました。
発覚から1年過ぎましたが、再構築するかしないか…まだ決めていませんが
今度は尽くす人生では無く
自分の人生を生きて行こうと思えた1冊でした。
ありがとうございました。 - Reviewed in Japan on July 6, 2025当事者こそ読むべきです(笑)自分を客観的に見れました
- Reviewed in Japan on January 19, 2023「誰が、誰と、なぜ不倫をし、誰の不倫を誰が非難しているか」についての実証的研究の新書本である。本書の研究対象の「不倫」は「結婚後に配偶者以外とセックスすること」と定義されている。ただし、風俗営業の利用は除かれている(59頁)。
読みやすい本で、平日の夜に風呂場で第1章を読んで、風呂から出てから残りを読み、3時間ほどで読んでしまった。もっとゆっくり読むべきとは思うが、面白かったということでご容赦願いたい。
本書の実証的研究は二つの調査に基づいている。
一つは「実験調査」で、楽天インサイトに登録しているモニターを対象に、2021年5月にインターネットを通じてデータ収集したもので、対象者は年齢・性別・婚姻状態・居住地を国勢調査の割合を再現するような形で収集している。「第2章 どれぐらいの人がしているのか」と「第6章 誰が誰を非難するのか」では、「実験調査」のデータが使われている。
もう一つは「総合調査」で、NTTコムオンラインに回答者として登録している既婚者(現在結婚している人)6651名に対する2020年3月の結婚生活と不倫に関する調査で、「第3章 誰が、しているのか」「第4章 誰と、しているのか」「第5章 なぜ終わるのか、なぜ終わらないのか」では、「総合調査」のデータが解析されている。
それで、解析の結果は・・・いろいろ書きたいが、ネタバレ防止で省略させていただく。
私的結論
○俗っぽい読者としては、「第3章 誰が、しているのか」「第3章補論 不倫を促す要因の分析過程」「第4章 誰と、しているのか」が特に面白かった。 - Reviewed in Japan on January 26, 2023題名に偽りなく、本当に不倫という現象をデータに基づいて実証的に分析した本で驚いた。著者たちも日本で先例はないと言う。ネット調査だと、匿名性が確保でき、回答への心理的なバーも低くなるので、センシティブな内容でも可能になったのだろう。
第1章で不倫を法的、歴史的、社会学的に位置づけ、第2章からが具体的なデータ分析だ。分析手法も丁寧に説明されていて分かり易い。
案外、多くの人に不倫経験があることが分かるし、データを分析することで、意外な真実が明らかになったり、俗説の真偽が明らかになったりしていく。不倫がスキャンダルとして耳目を集めるように、世間は不倫に厳しいが、それがどこから来ているのかは最終章で明かされる。
分析自体はもちろん面白いが、客観的なデータに基づく現状分析があって、初めて戦略を立てることができる。
まず、これから不倫をしたい人には、どんな人がどんなきっかけで、というデータが役に立つはずだ。
配偶者の不倫を防ぎたい人には、不倫に何を求めるのか、どんな夫婦関係かというデータが役に立つだろう。
配偶者や自分の不倫関係に悩む人には、不倫の終わり方というデータが役に立つかもしれない。 - Reviewed in Japan on February 15, 2023"不倫"というと、なにかと非難される行為として取り上げられて、バッシングの
対象になります。不倫報道を観たり聞いたりすると、私自身、自分の道徳観を確認
しながら憤りを感じながらも、興味本位で報道に聞き耳を立てていたりもしますが
...そんな、軽々な思いで読み進められる本ではありませんでした。これだけ調査
分析を積み重ねたものを見せられると、興味本位で読んでもいられなくなり、俗説
と分析結果の異同にうなずいたり、首を傾げたり..と、いろいろ考えさせられました。
"なにを知りたいのか"を踏まえての分析手法、調査の組立、実施の仕方なども
勉強になりました。 - Reviewed in Japan on February 11, 2023あまり他に類例を見ない、不倫の実態を実証研究によって解き明かした一冊。おそらくは多大な労力を厭わず貴重な調査研究を成し遂げられた著者たちには、素直に感服させられる。
本書の内容をごく簡単に紹介しておく。第1章では、「法律」「歴史」「言葉」「社会科学」の4つの補助線を引きながら、不倫とは何かを定義する。第2章からは、どれくらいの人がしているのか、誰がしているのか、誰としているのか、なぜ終わるのか、あるいは終わらないのか、に関する実証分析を紹介する。そして、最終第6章では、誰が誰を不倫の廉で非難するのかに関する分析を提示する。
各章とも形式は似通っており、淡々とした筆致で先行研究の紹介と、実証分析のプロセス、および分析結果が整然と並べられている。この形式も読者の理解の一助になっているように思われる。おそらく多くの読者にとっては、あらかた予想通りの分析結果ということで、社会通念を覆すアッと驚くような事実が記載されているわけではないものの、統計分析の手法やその解釈の作業がとても説得的で興味深く思われた。
そういったわけで、下世話な野次馬根性から本書を手に取った読者――何を隠そう多かれ少なかれ評者もまたそうである――は、下衆な欲求を満たすことはできないが、不倫に関する様々な事実や鮮やかな統計分析の過程を知ることができるので、純粋な知的好奇心は大いに満たすことができるだろう。逆に言えば、そういう知的好奇心を欠く読者にとっては、退屈な読書になってしまう可能性が高い。
それはおくとして、本書でとりわけ印象的であったのは、不倫という現象が激しく人々の(ハイデガー的な意味での)好奇心と感情を煽るのとは対照的に、本書はその内容も筆致も極めて冷徹で硬質であったところであろうか。不倫という「不道徳」に対して、学者なのだから当然と言えば当然なのだが、いかなる価値判断も加えないところも印象的であった。また、本書では不倫という現象の諸側面を過不足なく包括的に論じているので、読後の満足感が大きいところも特長であろう。社会文化的現象の実証研究のほうに興味がある読者にとっても、本書で採用されている様々な統計的分析手法は格好のロールモデルであり、学ぶところが多いのではないだろうか。