2016/10/20

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 新渡戸稲造論集 (岩波文庫)

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: 新渡戸稲造論集 (岩波文庫)

2007年6月2日
札幌農学校、東大、ジョンズ・ホプキンス、ドイツ留学で学位取得。フィラデルフィア出身のメリー・エルキントンと結婚。東大・京大の教授を務め、国際連盟事務局次長などを歴任した新渡戸は和魂(漢文の素養も含む)洋才の学識に裏付けられたグローバルな見識の持主だった。ジョンズ・ホプキンス時代に後に大統領になるウッドロー・ウィルソンと親友関係であり、初代学長ギルマンからも知遇を得ている。

新渡戸の教育観を読んでいると、19世紀のアメリカがドイツの高等教育から摂取した大学院教育の中でもアメリカ流の<自由>な様式を好んでいたことが判る。日本はドイツの初等中等教育制度を入れて関係で、詰め込み主義で生徒が考える自由やゆとりがないことを批判的に見るなど、人間本来に与えられた自由を活かし、民主主義を醸成するに重きをおいた見方は、最初の留学地ボルティモアのジョンズ・ホプキンスで身につけたものであろう。

また当時の国際的な欧米諸国の歴史や文学思想にも深く通暁し、ゲーテのファウストは20回以上読んだという碩学である。現代に生きていても世界に通じる見識の持主で、単に「武士道」の著者だけではない。その全体像を把握するには絶好の著作である。新渡戸の全貌を知るには全集を読まざるをえないと考えていた人には格好の論文集。

中曽根政権時にジョンズ・ホプキンス大学は日本政府から基金の提供を受ける、受取に来た学長以下関係者が岩手の墓前に詣でて謝意を伝えた。同窓生が何時母校に報いてくるか全く予知できない。教育の偉大さである。ジョンズ・ホプキンス大学史には新渡戸の5千円札写真とこの逸話が記されている。生涯の大半を教育者として生きた著者に相応しいエピソードで、その精神を自ら生前に書き残したのが本書である。彼の思想は未だに活きている、教育改革関係者には必読と言いたい。

昨日の日経夕刊のコラムによると本年2012年は新渡戸さん生誕150年の由、これは幸いなる哉。
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ベスト500レビュアー2008年10月5日
この本は、新渡戸稲造の思想を知ることのできるような小論を、それまで全集に未収録だったものも含めまとめたものである。教育論、人生論、デモクラシー論、国際関係論と分かれていて、それぞれ小論が収録されている。

新渡戸稲造は教育者として有名だが、彼の述べる教育論は今日においても傾注すべきことがらが多い。日本人は外国の学問を学ぶ際、文字を頭に入れるだけで、その精神を理解しようとしない、そのくせ大業な書物を読みたがると彼は言う。

リードとスタディは別である。日本人は本を読んでばかりいるが、ただのリーディングは眠っているのと同じである。スタディとは人の本を読むに当たっても、いちいち正しいか、間違っているのか、自分で判断を下していくことである。

誰がこういったとか、ああいったとか言っているうちはまだまだで、自分自身の確信を持てるようになるのが、真の教育の成果だ。

学校とは技術・芸能ではなく理想を養うところであり、社会に出たら、事に当たって、その理想を思い出し考えることが必要だと説く。

教育の目的のひとつとして人格を養うというのがある。何事についても何かを知っている、"something of everthing"、というのが大切だ。つまるところ、教育とは人間の製造である。日本においては、人の判断が金や地位で定まってしまう。そうではなく、人格そのものが判断のもととなるべきである。

新渡戸稲造は国連の事務次長まで勤めた国際派である。そのためもあって、日本人ばなれしたコモンセンスと、バランス感覚を持っている。しかし日本では「武士道」を書いた人、5千円札の肖像になった人ぐらいの評価しかうけてない。

だが、「太平洋の架け橋になる」と豪語したまでの本当の国際派が今ほど待たれる時代はないと思う。新渡戸稲造を見直し、彼に続く国際派がどしどし輩出していって欲しいものである。
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VINEメンバー2007年12月4日
多くの人は、新渡戸稲造というと、名著「武士道」の著者というよりも「5千円札の人物」というイメージが強いのではないだろうか。何故、この人物が、数ある日本近代の偉人の中で、1万円の福沢諭吉(1834-1901)と並んで5千円札の顔として選ばれたのか、この本をしっかりと読んだ瞬間に理解できるはずだ。

この著は、現代の日本人に、狭い視野を捨て、世界史的な視野から日本を見つめ直すことを教えてくれるすばらしい啓蒙の書だ。

私は、この本を読みながら、もしも新渡戸氏のような真の国際人が、あと何人か、政府内部に存在したならば、もしかすると、あの日米開戦は回避できたかもしれない。と、本気で思ってしまった。少しも古さを感じさせない名著だ。
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2009年3月3日
 とにかく、感動した。何遍も読み返したい本である。洞察の深さは言うまでもなく、ユーモアがあり、歯に衣着せぬ表現であり、ガツンと頭を叩かれる感じがした。読んでいて、学生の前で講演する新渡戸氏が何度も映像として現れるようであった。現代の政治家に是非読んでもらいたいが、少なくとも人を指導する立場にある人は必読である。比較しては失礼だとは思うが、昨今、”...の品格”本が数百万部売れるぐらいなら、こちらは、倍、いや、10倍くらい売れてもおかしくない内容である。(悲しいかな、多分難しいと思うが) 時代背景もあるが、国を愛し、憂い、その国のもととなる人への教育に対する新渡戸氏の情熱と息吹を感じる素晴らしい本である。
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2015年9月30日
じゃんけんの法則のくだりに感動しました。私は何に勝てるのかな?何に負けるのかな?
様々なことを感じました。

当時の女学生はこの言葉が直接聞けて羨ましい。しかし私たちも今この言葉を大事にしまっておけるのですから、とても幸せなことですね。
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自分をもっと深く掘れ!―名著『世渡りの道』を読む (知的生きかた文庫)

自分をもっと深く掘れ!―名著『世渡りの道』を読む (知的生きかた文庫)



自分をもっと深く掘れ!―名著『世渡りの道』を読む (知的生きかた文庫)

新渡戸 稲造

形式: 文庫|変更

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5つ星のうち4.0この洞察力は本物です。

投稿者cooshin2008年2月11日

形式: 文庫

 

  この本は、新渡戸稲造の明治時代の著書『世渡りの道』を現代仮名遣いに統一し、

  わかりやすく再編集されたものです。

  

  新渡戸自身が生前、

  

  「吾輩は専門センス(専門知識)は教えない。コモンセンス(常識)を教える」

  

  と語ったそうだが、まさに本著はその通り。

  人生を生き抜く具体的な知恵が隅々までちりばめられており、

  また「どういうことが常識なのか」という一つの目安の提示がなされていると思います。

  そして専門用語は一切出ず大変読みやすい。

 

  前五千円札の肖像画であった新渡戸がどういう人物であったかを私はこの本ではじめて知ったわけだが、

  教育、政治、農学などさまざまな分野で偉大な足跡を残したこの歴戦の兵の裏打ちのある言葉は確かに説得力が違う。

  この人間観察力、洞察力には率直に恐れ入りました。。

 

  『武士道』も機会があれば読んでみたい。

 

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5つ星のうち5.0稲造(失礼)かっこいい・・

投稿者ロビンベスト500レビュアーVINEメンバー2011年4月8日

形式: 文庫|Amazonで購入

 樋口一葉さんの先代の<五千円札の人>、新渡戸稲造。小さい頃、一万円の福沢諭吉と千円の夏目漱石はとりあえず分かるけど、五千円札のこの眼鏡のおじさんは一体誰なの?とか失礼な事を思っていたのを思い出します。

 新渡戸稲造の著作では『武士道』が最も有名ですが、学校の授業では日本史でも国語でも道徳でも、彼の著作や生涯を習うことはほぼないと思います。稲造(失礼)のカッコいい生き方を日本の若い世代に教えないのは、本当に勿体無い事です。



 本書は、新渡戸の『世渡りの道』という、処世についての書物を現代語訳したものです。

 内容は、全12章から成り、「1章・<ひとりよがりの生き方>をやめる」「2章・苦労が顔に出ない人の<厚み>」「4章・<誠実さ>は二つとない財産」「10章・自分に甘いから<泣き言>が出る」など。

 基本的には新渡戸の人間論・人生論であり、社会的動物である人間として、社会において仲間の人間達と、また不平を漏らしがちであったり、怒りっぽかったりする自分自身とどのように付き合っていくのが良いのかということが、具体例を引きながら分かりやすく論じられています。どんな年齢・立場の人が読んでも学ぶものが多いでしょうが、とりわけ学生や新社会人が読むと、かなり参考になるのではないでしょうか。翻訳も非常にうまく為されていて、若い世代でも読みやすいと思います。

 

 漱石、鑑三、鴎外もそうですが、この時代には知識重視・能力賛美主義に警鐘を鳴らし、本書で新渡戸が言うところの単なる才人−「便利な器」ではなく、知・情・意揃った心の正しい人間を作るための<修養>の重要さを訴える、次代を憂う志篤い文化人が多かったように思われます。

 文化人を含め、器用でソツのないうるさがれない人間であること、またそのような生き方を心がけることがうまい<世渡りの道>であり、順調に昇進し高給を取る人間が成功者、勝利者のように思われることの多い現代日本社会です。お金を沢山稼ぎたいのなら、確かにそれはその人の自由です。しかし、英国の思想家ウォルター・ペーターは、「いつも炎のように燃えていること。宝石のような、この激しい炎をもって、いつも感動にうちふるえて生きていること。これこそが人生における成功である」と定義しました。新渡戸が説くように、ソツのない生き方のもっと向こうにある<本物の人生>を自分自身も泥まみれになって生きる努力をし、またそのように生きる人間の真価を、世の中にもっと叫んでいきたいものです。

 

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5つ星のうち5.0【自己解析の力と世界への客観的認識が秀逸です】

投稿者まるちゃん2009年1月11日

形式: 文庫

下手に人に諭そうとする感じは一切なく、

自分の感想や認識をつらつらと綴っています。



現代人が書く自己啓発書というか、人生の指南書と

大きく変わる点はないのですが、

新渡戸稲造氏が描かれている言葉を身近にグッと体感できます。



明治時代に世界を渡り歩いて、第一線で活躍した先人の実感としての

深い言葉を胸に刻むことができました。

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5つ星のうち4.0明治の教え

投稿者I2006年11月25日

形式: 文庫

小手先の処世術、人心掌握と称していかにして騙すか



などの処世術本が溢れる中、明治時代の教えだけど



心の持ちようが大切と説くこの本のほうが本当の意味での



処世術だと思います。



でも見習いたくてもなかなかうまくは行きませんが

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5つ星のうち4.0人格を高めたい方に

投稿者宮城 秀樹2013年10月18日

形式: 文庫|Amazonで購入

これから社会に出ていく方から、社会に出て活躍されている方まで読まれる事をお勧めいたします。



考え方は納得できる部分が多く、これからの人生に活かしていきたいと考えてます。

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5つ星のうち5.0自己啓発本の原点なのでは?

投稿者ボサノバ巨匠の隣人VINEメンバー2010年8月20日

形式: 文庫|Amazonで購入

私は『7つの習慣 成功には原則があった!』が大好きなのですが、

この本の原著である『世渡りの道』は、「7つの習慣」に参考にされたのでは?

と疑ってしまうほど、重複してしまう部分が多々ありました。



ただ「7つの習慣」の良さは、7つの原則にまとまっており、

すべてそれらで説明がつくしようになっている点です。

そういったMECE感とコンセプト感は、残念ながら本書にはありません。



つまり、思いついた順に書き上げた、

特定の状況にのみ役立つアドバイス集といった感じです。



コンテンツの素晴らしさと翻訳の素晴らしさもあり、

満点とさせて頂きました。



やはり古典が教えてくれる教訓は不変であり、

現代にも役立つものだと再認識しましたし、

それをこんなにもまあ読みやすく編集して頂いたことは感謝に値します。



ついでに言いますと、

本書の翻訳を務めた竹内均氏の翻訳作品はいずれもお勧めです。

古典の教訓を現代に生かしたいという方にはもってこいだと思います。

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5つ星のうち5.0素晴らしいです。

投稿者しゃらく2015年12月7日

形式: 文庫|Amazonで購入

学びを得るための最良の書のひとつであると断言します。

どの章を読んでも教訓ばかりですから。

もし現在、自分が損をしていると感じているのであれば、それがいかに利益を生み出しているかに気づくことができます。

生き方を模索しているならば、ぜひ一読をお勧めします。

これを読まないのはもったいないです。

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5つ星のうち5.05

投稿者Amazon カスタマー2016年7月22日

形式: 文庫|Amazonで購入

自分への探求心が、芽生える。

一つのことを、追求するという、強い、Messageがある。

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5つ星のうち5.0とても良かったです。

投稿者木原 エルサレム2015年1月28日

形式: 文庫|Amazonで購入

とてもよかったです。

欲しい本だったので、よかったです。

状態もよかったです

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5つ星のうち5.0難しいけど役立つ

投稿者ペチヲ2008年5月19日

形式: 文庫

現代の我々若者にはとても真似できないけど、歴史的な観点で読めば良いんじゃないでしょうか。精神的に不安定だという人は特に、一度心をロンダリングする意味でも読んでみては?

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修養 (タチバナ教養文庫) | 新渡戸 稲造 | 本 | Amazon.co.jp

修養 (タチバナ教養文庫) | 新渡戸 稲造 | 本 | Amazon.co.jp

5つ星のうち5.0迷える時代にこの一冊

投稿者pg2004年4月2日

形式: 新書

新渡戸稲造博士が主に青年に向け語った本。

しかし、難解さはなく非常に読みやすい。

新渡戸博士のあたたかみ、やさしさがにじみ出ている本である。

もしなにか迷うことがあれば、この本を読むとまるで新渡戸博士が

その悩みをうけとめてくれるかのような感を覚えるだろう。

明治の真面目な気風を現しているのもお勧めである。

青年で無くとも、全ての人にとってお勧めの一冊といえる。

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5つ星のうち5.0繊細な感性と巌のごとき強い意志を併せ持つ人格者

投稿者ロビンベスト500レビュアーVINEメンバー2012年8月2日

形式: 新書|Amazonで購入

 若い頃に母親と死別するなどの苦悩を耐え抜いて「太平洋の橋になりたい」という大きな夢を貫き、初の国連事務次長に就任した岩手出身の思想家・教育家、<昔の五千円札の人>新渡戸稲造さんの修養論です。明治日本人の行動理念を海外に紹介した『武士道』の著者としても非常に有名ですね。



 読んでまず感じるのは、まさに海を渡って国際的な仕事をした人だから、図太い強靭な精神の人なのかなと思いきや、まじめで相当繊細な神経の持ち主であるということ(夏目漱石と似ているけれど、より常識的で生真面目かもしれません。でもバランスがいい方という印象も受けます)、生来ものを深く受け取りまた感じやすいので傷つきやすく、どうしても短気で激情家になってしまう面がある(ちなみに「自分の欠点は短気」と他所で明言されています)のかな・・ということです。人より厳しい倫理観を内臓している人の場合もうっかりすると短気になりやすいように思います。一高の校長を務めたり、女子教育の発展に寄与した教育家である、といわれると成程という感じを受けます。



 しかし稲造さんが凄いのは(能力の高さや仕事の大きさは別として)<人格>ある人への尊敬心が篤く、より高い人間性・人格を追及しよう、造り上げようという真剣な向上心と探究心、他人に学び周囲の人と共に成長しようという謙虚さ、そして克己心が強いという点だと思いました。



 本書は、非常に具体的な事例を挙げながら、現代にも十分通じる<人間としてうつくしい身の処し方>を身に付けるために新渡戸さんが研究・考案した方法がたくさん書かれています。分厚い本ですが、漢文の風味が残る現代語訳はきりっとしていて小気味良く読めます。興味のある部分から読んでも全く差し支えはないと思うので、「どうしても他人の批判が気になり、神経質になる」とか「他人の暮らしをうらやましく感じる」、「みんなうまくやっているのに、どうして自分だけ失敗して辛い目にあうんだろう」という思いを抱きがちな方は、読んでみていただきたいです。



 

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5つ星のうち4.0明治の教育者の面目躍如

投稿者善次郎2003年11月14日

形式: 新書

人は逆境にある時、如何にあるべきか。

また順境にある時、何に陥りやすいか。

著者自身は、本書を市井の人々の為に平易に語ったと言うが

明治の教養人らしく確固とした人生観に裏打ちされた内容は

根底において恨みや怠りを禁じている。

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5つ星のうち5.0新渡戸稲造の息吹がこめられてる

投稿者塾生2011年2月3日

形式: 新書

(オススメポイント)

・何より読みやすい!文章が現代語訳のため安易。(まるで稲造氏が自分の隣で本の内容を語ってくれてるかの如く)

・修養、立志、職業の選択、逆境の心得、世渡り、貯蓄について…その他様々な内容を17章にわたって稲造氏の息吹を感じれる。



札幌農学教授、東京帝大教授、東京女子大初代学長、他様々な教育の場面で功績を残し、又国際連盟の初代事務次長として国際平和に尽くし、この「修養」をはじめ「武士道」「世渡りの道」「随想録」他、世紀を越えて読み継がれている著者が沢山あり、いわば社会教育家である。

しかし、偉ぶる事もなく、自身の体験、失敗談も踏まえた人間くさい一面が数多く見受けられ、肩の力を抜いて読める。 しかし内容は一世記過ぎた現代でも充分通じる内容で人間の厚みが伺える。

読もうかどうしようか迷っていれば

「是非とも読んで下さい!そして新渡戸稲造氏の息吹を感じて下さい!」 と伝えたい。



最後に本書から抜粋で…



〜もし本書にして、一人にても二人にても、迷う者のために指導者となり、落胆せんとする者に力を添え、泣く者の涙を拭い、不満の者の心をなだめ得るなら、これぞ著者望外の幸いであり、また年齢をも恥をも忘れた甲斐があったと思い、深く読者に感謝する。

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5つ星のうち4.0高い先見の明あり。しかもストロングスタイルだ!

投稿者熱血!青年塾長!2009年5月21日

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新渡戸稲造氏による人生の生き方指南の本です。人生の多岐に渡ったアドバイスを与えて

くれています。

私見です

新渡戸さんは、元々短気だったそうです。また、心の病にも一時的にかかったそうです。

そんな彼が、叩き上げて自分を育て、脂が乗った50代に書いた本がこの本です。なので

非常に説得力があります。ものすごい努力の跡をたっぷり感じる事ができますね。

書いてある事も実に多岐。コヴィー氏のWIN-WIN理論に通じる考え方の提示すら

あり、明治の書物とは思えない先見の明を感じました。

どうしてもダメなら、相手を殴ってしまえ!という件もありますが、努力で叩き上げた彼の

姿と重ねて、猪木さんに負けず劣らずのストロングスタイルの人であるイメージを受けまし

た。お札の人、というイメージしか無かった私はただただ反省です(苦笑)

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5つ星のうち4.0深く考えた

投稿者石黒大理2013年12月28日

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新渡戸稲造が後世に残したいという強い思いを感じました。

現代の我々が迷い思い悩んだ時に読んでみることをお勧めします。

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5つ星のうち5.0満足です。

投稿者ゆみ2014年5月23日

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届くまでに時間がかかりましたが、とても綺麗な本でした。

包装が丁寧すぎて開けずらくて中身をきっちゃいそうでしたので、包装の仕方だけかえてもらいたいです。

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5つ星のうち5.0是非読むべき一冊

投稿者Amazon カスタマー2015年12月24日

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日々の活動を何を行うべきなのか示してくれる人生の指針となる一冊

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5つ星のうち4.0日本人の心

投稿者mickey saku2009年3月15日

形式: 新書

昨今、おおはやりの自己啓発ですが、横文字の自己啓発本に疲れたらこの1冊を。分量も多く、また内容もけっして読みやすくはありませんが、その表現の機微にふれれば、じんわりと正しく生きることの意味が体得できます。逆境をいかに乗り切るかに加え、順境の心得もあわせて説くところ、日本の生活の節目節目の心構えを説くところなど、日本人の原点とでもいえるような、そう「日本人の心」を今一度、読者の問ういている1冊です。

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5つ星のうち5.0教養書

投稿者Amazon カスタマー2015年12月25日

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五千円札の方ですね 以前の 欲しいので購入しました 古い時に書かれたようですが 大変ためになりました 私の愛読書の一冊になりました 内容は

何章かに分かれていますが 解りやすく理解できると思います これからも愛読していこうと思います

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5つ星のうち5.0しのぶ

投稿者Amazon カスタマー2015年10月3日

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男性向けの本に感じるので、すべては読んではいません。



けれど、徳川家康さまの遺言が載っており、

それは大変勉強になりました。

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5つ星のうち3.0修養を読んで

投稿者アマゾン二郎2009年5月12日

形式: 新書

 新渡戸稲造の本をどうしても読みたいという方以外にはおすすめしません。書かれてある内容に真新しさはなく、この本を読もうかなと迷っている方にとってはありふれたごくごく普通のことが書かれてあります。ただ、著者がどのようにして修養をしてきたか興味がある人は読んで損はないです。著者が幼い頃、モンクというあだ名をつけられていたこと、図書館にあるすべての本を読もうと志し眼を悪くしたことなど、小話が多いので著者自身に興味のある方は購入してはどうでしょうか。



 真新しさがない、と書くと語弊があるかもしれません。冒頭から青年の立志について書かれているので、若い方に向けて書いた本なのだろうと思います。多くの本を読んできた方にはすすめませんが、青年はこれを読んでぜひ今後の人生の糧にしてほしいと思います。

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Amazon.co.jp: 武士道 電子書籍: 新渡戸稲造, 桜井欧村: Kindleストア

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トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
この本を読むときに、よろしければ気にとめて頂きたい点があります。
それは、著者、翻訳者ともにキリスト教徒であると言うことです。
(本の内容については、他の方々が既に充分な書評をかかれております。)
新渡戸稲造はクエーカー派と呼ばれるキリスト教徒です。
クエーカーは「内なる光」という直感的な「良心」を重視し、
「沈黙の礼拝」を行います。日本の座禅ににている礼拝で、
儀式もなく、聖書に元ずく平和主義で知られているグループです。
アメリカ・イギリス両クエーカーの団体は1947年に
ノーベル平和賞を受賞した経験があります。
一方、翻訳者の矢内原忠雄は内村鑑三の流れを汲む「無教会」という
キリスト教の伝道者で、戦後2代目の東京大学総長に選ばれており、
激務にありながら、毎週日曜日は集会で「聖書講義」を行った方です。
第二次大戦中は、非戦論者として知られました。
そのために、東大教授職を追われた方です。
私たちは、この「武士道」を読むに当たり、
なぜこの純日本的とも言われる武士道精神が、
俗に言う「西洋の宗教」であるキリスト教の信者によって書かれたのか、
静かに考えてみることは、意味があることではないでしょうか。
なぜこの本が、非キリスト教徒によって
書かれることがなかったのか、考えることは大事であると思います。
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形式: 文庫
武士道は、日本を表徴する桜の花と同じように、わが国土に固有の花である。
『武士道』第1章はこうした象徴的な一文から始まる。
桜の花が日本の武士道を象徴するとすれば、西欧の騎士道ないし哲学を象徴するものは薔薇である。
薔薇は強い芳香を持ち、優雅に咲く花である。しかし、その美しさの裏側には棘があり、枯れてもなお散らずに残りつづけようとする生への執着がある。
一方、我々は潔く散りゆく桜の花びらに美を見い出し、その淡い芳香に飽きることがない。
このように、西洋のものが「生の哲学」であるなら、
日本のそれは「死の哲学」であると言っていいであろう。ただしこの「死の哲学」は、「死」を奨励するという種類のものではなくて、むしろ人生をいかに生きるべきかという求道的倫!理的な問題を、万人にとって絶対的な存在である死を出発点として扱おうとする問題意識のことなのである。死というものを身近に感じ、これを受け入れ、日々これに対面することによって死から解放され、むしろ「生きる覚悟」というものが確固としたものとなり得るのである。
これに対して、我々が多く学んできた西洋の「生の哲学」がもたらしたものは利殖と保身と享楽の追及でしかなかった。
このような認識のもとに立つことが出来れば、我々は今一度、「武士道」という精神に学ぶことが大きいであ
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投稿者 itgaki VINE メンバー 投稿日 2006/10/29
形式: 文庫 Amazonで購入
「武士道」は封建社会の遺物であり、現代の生活には馴染まない、そんな先入観を持って読みました。が、書かれている事は、武士道が古から日本人の道徳観念を支えていたという事実であり、その書かれている事は本質的で、現代の生活そして生きていく上での姿勢にも十分参考になるものでした。

筆者も認めているように、かつてでも武士道を誤って認識している輩も多かったらしい。例えば、切腹についても軽軽しく腹を切って済ます(それでも凄いけど)ことで潔さを表しているが、本来はそれは犬死であり、軽軽しく死を扱わないことが本来であること。切腹をするからには、その武士道の精神に則った大儀があるべきことが書かれています。武士道にはそのような側面があることや、解釈に誤解があったこととあわせて論じているので、一層武士道の本質が判りやすくなっている印象でした。

前書きにもありますが、日本人の道徳教育は何によってなされてきたかを、異国の人に説明するために書かれた本です。ですので、外国(主にヨーロッパ)の宗教(=キリスト教)や哲学との比較、引用が多く、改めて納得できる事例も多いです。改めて筆者である新渡戸稲造氏の博学には驚かされました。しかも文章も非常に綺麗!本当に凄い人ですね。

私のように何も知らない人間は、「武士道」と聞くだけで右翼的なイメージを持ってしまいま
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形式: 文庫
菅野覚明『武士道の逆襲』(講談社現代新書)に触発されて読んでみた。
本書には、津田左右吉から上に挙げた菅野に至るまで、「実際の武士のあり方を表現していない」という批判がついて回る。「実際の武士」の「武士道」とはどのようなものか、という問題については菅野に譲るとしよう。ここでは、この本はもともと英語で書かれているということ、言い換えれば西洋人に読まれることを前提として書かれたのだ、という点に注意を喚起しておきたい。
新渡戸は必ずしもこの本で武士道そのものを詳述することを目指したのではない。西洋世界に「日本」をいかに説明するか。しかも非西洋でありながら西洋に通じる普遍性があるということをいかに主張するか。彼の関心はそこにこそあったのである。
したがって、この本から読み取れるのは、武士そのもののあり方ではない。アメリカの地で、1899年の時点で、新渡戸が「西洋に相対する日本」をいかにイメージしていたか、ということである。つまり、この本は「武士の時代」の本ではなく、あくまで「明治=近代」の本なのである。
そうした点を踏まえて読めば、得るところはすこぶる多い。近代日本の自己主張の原型が、そこにはある。
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