2021/03/29

健康に欠かせない3要素の1つ「霊性」とは? 帯津医師が解説 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

健康に欠かせない3要素の1つ「霊性」とは? 帯津医師が解説 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

健康に欠かせない3要素の1つ「霊性」とは? 帯津医師が解説

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

帯津良一週刊朝日#ヘルス#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

世界保健機関(WHO)本部=スイス・ジュネーブ (c)朝日新聞社

世界保健機関(WHO)本部=スイス・ジュネーブ (c)朝日新聞社

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「霊性について」。

*  *  *
【WHO】ポイント
(1)WHO憲章の健康の定義を改定する動きがあった
(2)改定案には霊的という言葉が加わった
(3)健康は身体性・精神性・霊性すべてにかかわる


 1948年のWHO(世界保健機関)設立のもととなるWHO憲章に健康の定義が定められています。それは以下のようなものです。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」(日本WHO協会訳)

 98年にこの定義を改定しようという動きがありました。改定の準備段階での協議会に出席した山口昌哉さんの報告(「『霊性』ととりくみはじめたWHO」季刊仏教98年10月発行)によりますと、新しい定義として考えられたのは次のようなものでした。

「健康とは身体的精神的社会的かつ、霊的(スピリチュアル)に完全に一つの幸福のダイナミカルな状態を意味し、決して単なる病気や障害の不在を意味するものではない」

 つまり、これまでの定義にスピリチュアルとダイナミカルという言葉が加わったというのです。私はこの報告のコピーを見せられたとき、感動して身体が震えました。

 これまでも述べてきましたが、私が提唱するホリスティック医学では人間を「からだ」「こころ」「いのち」の側面からとらえます。

 英訳すると「BODY」「MIND」「SPIRIT」です。つまり「いのち」の本質とは霊性(スピリチュアリティー、spirituality)にあると言っていいのです

 しかし、98年当時、日本の医学界で霊性とか霊的などと言おうものなら、爪弾(つまはじ)きにあうか、白眼視されました。ですから、WHOという国際機関で霊性について真正面から議論していると知って、心から感動したのです。



この改定案は99年のWHO総会で審議されましたが採択にはいたりませんでした。しかし、20年の歳月が流れて、日本でも多くの医師が霊性を受け入れるようになってきています。まさに今昔の感です。

 ここで、霊性とはどういうものなのか、もう一度整理したいと思います。それには統合医学のオピニオンリーダーであるアンドルー・ワイル博士の説明を引用するのがいいでしょう。

 博士は「人間は身体性・精神性・霊性という三つの要素からなっている。したがって、健康は必然的にその三要素すべてにかかわるもの」と述べた上で次のように言っています。

「霊性というと、多くの人が宗教の世界の話だと考えてしまう。しかし、霊性と宗教にははっきりとした区別がある。エネルギー、本質といった、人間存在の非身体的・非物質的な側面にかかわるもの、われわれの一部分で、生まれる前から存在し、からだが崩壊したのちも存在するもの、それが霊性だ」(『心身自在』上野圭一訳、角川文庫)Andrew Weil 8Weeks

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

※週刊朝日  2020年11月13日号








創価学会とキリスト教に共通点? 「世界宗教化のプロセスが似ている」と佐藤優氏 (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

創価学会とキリスト教に共通点? 「世界宗教化のプロセスが似ている」と佐藤優氏 (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
創価学会とキリスト教に共通点? 「世界宗教化のプロセスが似ている」と佐藤優氏






2020.11.12 08:02AERA







佐藤優(さとう・まさる)/作家・元外務省主任分析官。『創価学会と平和主義』『危機の正体』『ウイルスと内向の時代』『世界宗教の条件とは何か』など著書多数。2020年の菊池寛賞を受賞(撮影/楠本涼)







澤田瞳子(さわだ・とうこ)/作家。2010年、『孤鷹の天』でデビュー。『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞受賞。『若冲』『火定』『落花』『能楽ものがたり 稚児桜』で4度の直木賞候補に(撮影/楠本涼)







池田大作研究 世界宗教への道を追う

佐藤 優

amazon.co.jp


 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏の、AERAでの連載を完全収録した書籍「池田大作研究 世界宗教への道を追う」が発売された。連載を振り返り、筆者の佐藤氏と作家の澤田瞳子氏が語り合った。AERA 2020年11月16日号の記事を紹介する。

【写真】作家の澤田瞳子氏はこちら

*  *  *
佐藤:こんな長い本を読んでいただきまして、ありがとうございます。

澤田:知らないことだらけでした。読ませていただき、このテーマにずっと関心をお持ちだったんだなと感じました。

佐藤:結構長いんです。本格的にこのテーマに取り組んでから10年くらいになります。

澤田:池田大作氏の著作、多いじゃないですか。それを把握するだけでも大変でしょうに。

佐藤:そう。でもね、全集があるんですよ。『池田大作全集』全150巻。全集に収まっていないもので重要なのは、『新・人間革命』。これが30巻31冊。そのテキストをベースにすれば、大体のことはわかるんじゃないか、と。

澤田:なるほど。

佐藤:創価学会のことを書こうとなると、だいたいみなさんは、取材を中心にやっていこうとするんですね。そうすると、学会の中の人は話せることに限界があるし、やめた人の中には「恨み骨髄」みたいな感じの人もいる。だから、こういうときには大量の公式の文書をもとにしようと。私が外務省時代、ソ連やロシアの情勢を分析するときは、公開情報を中心に読んでいく「オープンソースインテリジェンス(公開情報諜報)」というやり方を使いました。それでやってみようと思ったんです。

澤田:歴史学においては、遠い時代ほどちゃんとしたテキストから分析でき、近い時代になればなるほど、いろんなことにゆがみが生じるのですが、それと一緒ですね。

佐藤:似ています。私の指導教授の一人で、藤代泰三先生(故人/歴史神学)という方がおられたんですけどね。この先生は、私がチェコスロバキアの社会主義国家と教会の関係を研究すると言ったら、「やめたほうがいい」と言うんです。新しすぎる、歴史記述というのは50年前でやめないといけない、本当は100年ぐらい前でやめたほうがいいかもしれない、と。そうじゃないと、その関係者が生存してるから、と言うんですね。

澤田:わかります。

佐藤:藤代先生は、お弟子さん、あるいは子どもとか孫とかが生存していると、そこへの配慮とかそこから入ってくる情報でゆがむんだとおっしゃるんですよね。しかし、私は言い返した。先生の本って10年前のことぐらいまで書いてあるじゃないですか、と。すると、「僕が現実への関心が強いので、それは僕の限界なんです」って、藤代先生はおっしゃられた。

澤田:なるほど。でも、人とか社会とか、すごく身近なものをやりたいと思えば思うほど、ちょっと遠い話に焦点を合わせたほうがいいというのは、逆説的ですけど、面白いですね。



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■世界宗教化のプロセス キリスト教と似ている


佐藤:この『池田大作研究』を出したことで、誰と対談をやりたいかとなったときに、僕は一番に澤田さんにお願いしたいと思ったんです。文学を専門とする人と対談したかった。創価学会が支持母体となっている公明党は与党の一角を握っているから、政治的な立場が濃厚な人だと、無意識的であれ意識的であれ、その立場が出ちゃうから、「テキスト」として読んでもらえないと思ったんです。


澤田:確かに。私は100%「テキスト」だと思って読みました。


佐藤:「テキスト外」のところで評価されてしまうと、創価学会におもねっているんじゃないかとか、逆に学会の外の人間である者がなんでこんなものを書くのかとか、いろんな意見が出てくると思う。そのときに、「テキスト」をしっかり読んでくれる人と話をしたいと、こう思ったんです。


澤田:佐藤さんは、本当に宗教的に興味があって、これを書かれたんだなというのが、よくよくわかりました。


佐藤:そうなんですよ。僕はキリスト教徒で宗教が違うがゆえに、創価学会員にとって大切なものがわかるわけです。我々、キリスト教徒にとっても大切なものがあり、そこを侮辱されるのは嫌です。それと同じことだなと。


 創価学会が世界宗教化しているというのは本物なんだということも描きたかった。壁を破壊して、社会革命や政治革命を行うということじゃなくて、人間は変化する可能性があるから、壁の向こう側に価値観を共有する人材を作って送り出していく。そのプロセスが面白かったんですよ。キリスト教が世界宗教化していくときのプロセスに似てるなと思って。


澤田:そのお話、非常に興味深かったです。ある意味、ここで創価学会について述べ尽くされた感があるのかなと思ったのですが、明治前後に生まれたほかの日本の宗教、例えば大本(おおもと)や天理教には、関心は持たれないんですか。


佐藤:大本に関しては、高橋和巳さんがこの教団をモデルにして『邪宗門』という大きな古典的な作品を作られているから、たぶんそれを超えるような仕事ってできないと思うんですよ。そして、天理教も大本も、世界宗教的かどうかというところで、創価学会とは違いますね。その広がりがあるかどうかということ




澤田:第2次世界大戦までは、これらの宗教はよく似た場所に立っていたけれど、そのあとが随分変わってきたなというふうに思いました。


佐藤:そうなんですよね。創価学会は、池田大作という人が、牧口常三郎(まきぐち つねさぶろう)と戸田城聖(とだ じょうせい)の遺産を継承して、解釈し、行動していく過程で変わっていったと思います。そして、本来は出身母体であったはずの日蓮正宗とも大戦争になった。世界宗教になる上で、自分たちの母体から抜け出していかないといけないというのは、私には、ユダヤ教からスタートして、ユダヤ教から抜け出していかざるを得なくなったキリスト教と酷似していると思いました。ただ、論壇にはある種の創価学会タブーがあるでしょう?


澤田:まず、宗教団体として大きく、そして政治に結び付いているように見える。この2点でほかの宗教団体と違うのかもしれません。


佐藤:ただ、神社本庁だって、政治と結び付いているわけですよね。


澤田:ええ。個人的な感覚でいうと、池田大作さんというご存命の方と、宗教、その信仰的なことが結び付いているという点が、特別に見えるのかもしれません。


佐藤:なるほど。僕は既成宗教と新宗教を分けて、新宗教だからいかがわしいみたいに思うっていうのは嫌いなんです。キリスト教も、スタートは新宗教ですから。そういうところに偏見を持ってはいけないと思うんですよね。


 ただ、なぜここまでの力が創価学会にあるのかというところに関心が強かった。戦時下の創価教育学会(創価学会の前身)っていうのは、国と非常に距離があって、弾圧された。その結果、創価学会初代会長の牧口常三郎は獄中死しています。そこからのスタートだから、「おのれ権力」という発想になるはずで、ある時期まではそうだった。それが途中からは、ただ反体制ではなく、むしろ体制化していく。ただし、体制に取り込まれてしまったわけではない。その部分が面白かったんです。キリスト教に似ています。


■発展して変化しよう その意思が内側にある


澤田:そういうところも含めて、実は創価学会って非常にフラットだと、この本を拝読して知りました。いつまでも恨むとか、そういうことを引きずらないというのを、まさに体現しているのかなとも思いました。


佐藤:僕もそう思うんですよね。今回の組閣で考えてみても、(小選挙区で2度も公明党の山口那津男氏を破った)平沢勝栄さんが自公連立政権の閣僚で入ってるっていうのは、ある意味びっくりしました。別に、まあ過去は過去だと。本人もまずかったなと思ってるんだから、いいんじゃないでしょうかぐらいの感じですからね。





それから、この本で扱った中で面白かったと思うのが、藤原弘達さんです。藤原弘達という人が、創価学会や田中角栄の圧力に屈せず、言論を守った人だって言われてきたんだけれども、実は去年出版された志垣民郎さんの『内閣調査室秘録』の中において、藤原さんが内調との関係が非常に密接だったということが出てきました。


 私自身、過去にやってきた仕事と合わせて、皮膚感覚でわかるんですよ。なるほど、こういうことって国家ってやるからな、と。だから、あのときの創価学会の力は国家にとって相当の脅威だったわけですね。


澤田:国家にとって創価学会は、あんまり経験したことのない団体だと思うんですよね。


佐藤:そう思います。創価学会の面白さや謎というのはそこなんです。今でも創価学会って、国家もよくわからないところがあると思う。それはやっぱり、宗教と政治っていうものが重なるところもあれば、重ならないところもあるということ。


 それから、創価学会もいま過渡期にきている。2014年という年が、実は創価学会にとってすごく大きい年だったと僕は思うんですよ。一つは、公明党の結党50年で、再び池田大作氏の名前と顔が出てきた。これ、唐突なんです。それまで出てこなくて。公明党の50年党史で突然出てくるんです。


 それと同時に、教義条項の改正というのがあって、大石寺(たいせきじ)にある本尊との関係を断ち切るということをやったんですよね。翌年に、この教義条項をどういうふうに読むかっていうことで、江戸時代に日寛という非常に重要な指導者がいたんですが、この「日寛教学」の見直しに入る。それから「勤行要典(ごんぎょうようてん)」という、彼らが朝晩祈念する文章の中に、牧口常三郎、戸田城聖、池田大作っていう3人の名前が入った。そしてそのあと、創価学会の憲法に相当する「会憲」を作り、創価学会インタナショナル(SGI)のネットワークとしての位置付けを整備する。その基点が2014年だと私は見ています。





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それとともに、公明党の人が創価学会の話をするようになってきた。創価学会の人も、政治の話をストレートにするようになりました。それまでは、公明党の会合に行くと創価学会のことは言わない。池田大作氏のことは言わない。政教分離を徹底するんだっていうのがありました。実は、政教分離というのは、国家が特定の宗教を優遇したり忌避したりすることを禁じるもので、宗教の側から政治に関与することは構わないんだけれども、創価学会も、言論問題以降、過剰に抑制しているところがあった。それがオープンになってきたっていうのも面白いなと。


澤田:確固たる宗教を持たない一般的日本人からすると、宗教とは既にでき上がっているもので、教義も今から変わるものではないと感じがちなのですが、今のお話を伺うと、いまだに変わり続けて、発展して変化していこうという意思が内側にある。面白いですね。


佐藤:面白いと思います。変わらないために変わるというところがあるわけですよね。この本の最後は会憲でまとめたんですけれど、その意味において、この会憲で創価学会は宗教として完成したと僕は見てるんですよ。


澤田:私、最初に面白いと思った歴史小説ってヘンリク・シェンキェヴィチの『クォ・ヴァディス』なんです。宗教が人間の歴史の中で変化していって、今につながっていくという点が、読んでいてすごく面白かったんですけれど、そういった視点でもこの『池田大作研究』を読みました。まさにキリスト教がずっとやってきたことが、第2次世界大戦中から今までの間に、ぐっとまとまって、この一冊に詰まっている。人間の歴史は幾度も幾度も同じことが重なっていくものです。だからこの先も、またどういうふうに変わっていくのかなと思いました。創価学会は完成したとおっしゃいましたけれど、キリスト教だって、いつでも改革はあります。


佐藤:それは変わっていきます。一つのベースができて、その土俵の上で変わっていくということです。


(構成/編集部・木村恵子)


佐藤優(さとう・まさる)/作家・元外務省主任分析官。『創価学会と平和主義』『危機の正体』『ウイルスと内向の時代』『世界宗教の条件とは何か』など著書多数。2020年の菊池寛賞を受賞。


澤田瞳子(さわだ・とうこ)/作家。2010年、『孤鷹の天』でデビュー。『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞受賞。『若冲』『火定』『落花』『能楽ものがたり 稚児桜』で4度の直木賞候補に。


※AERA 2020年11月16日号より抜粋

宗教嫌いの帯津医師 30年以上観音さまを崇める深い理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

宗教嫌いの帯津医師 30年以上観音さまを崇める深い理由 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

宗教嫌いの帯津医師 30年以上観音さまを崇める深い理由

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

帯津良一週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

講談師の田辺鶴瑛さん (c)朝日新聞社

講談師の田辺鶴瑛さん (c)朝日新聞社

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「観音さまとのつきあい」。

【講談師の田辺鶴瑛さんの写真はこちら】

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【宗教】ポイント
(1)宗教にあまり関心がない、というより好きではない
(2)一方で、長らく観音さまとつきあっている
(3)私にとって、観音さまは虚空を体現するもの

 私は宗教には、あまり関心がありません。というよりも、好きではないのです。

 前回も登場した統合医学のオピニオンリーダー、アンドルー・ワイル博士はこう言っています。

「宗教は霊性を制度化しようとする。宗教の名においておこなわれていることの多くは、個人の安寧というよりは制度の永続化にかかわるものである。宗教的であろうとなかろうと、人は霊的な生活をいとなみ、霊性の健康におよぼす影響を探究することができるのだ」(『心身自在』上野圭一訳、角川文庫)Andrew Weil

 まさにその通りだと思います。ところが、その考え方と矛盾するようですが、私は長らく観音さまとつきあっています。
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 30年ほど前から病院の自室の棚には観音像が3体鎮座しているのです。いずれも座位で15~20センチぐらいの丈。中国の方のお土産です。その3体の後ろには亡き家内の写真を飾っています。生前、十分なことをしてやれなかった家内も観音さまとして崇(あが)めることにしているのです。

 自宅の机の上にも観音さまの絵が額に入って鎮座しています。やはり30年くらい前に、講談師の田辺鶴瑛さんにいただきました。左に微笑(ほほえ)んだ観音さまの顔が描かれ、右に「きっと、うまくいく」と書かれています。

 観音さまは正式には観音菩薩(ぼさつ)と言います。菩薩とは悟りをひらくために修行中の人を言うのですが、観音菩薩はすでに悟りをひらいていながら、我々のところに降りてきて、救いを求める人たちを救済してくださるありがたい存在です。三十三身に姿を変えて、私たちを救うのですが、その威力は絶大です。法華経の第二十五章「観世音菩薩普門品」には「大火の中に突き落とされても、観音菩薩のことを忘れなければ、焼かれることはない」「大洪水にのみ込まれても、観音菩薩の名を称(とな)えれば、たちまち浅いところにのがれることができる」とあります。



 私は朝5時ぐらいに病院に着くと、自室の観音さまの前で「延命十句観音経」を唱えます。短いお経なので、あっという間に終わります。このお経は私が尊敬する白隠禅師が広めたものです。そこで唱えることにしたのですが、私は観音さまに願い事をしているわけではありません。

 白隠禅師は弟子たちに「虚空と一体になれ」と言い続けました。虚空とは私たちの霊性の源です。私たちの霊性つまり「いのち(SPIRIT)」は虚空から来て虚空に帰るのだと思います。

 実は私にとって、観音さまは虚空を体現するものなのです。観音さまの前で「延命十句観音経」を唱えることで虚空とつながることができます。ワイル博士が言うように、宗教的であるかないかは問題ではありません。いずれ虚空と一体になれるのではと期待しています


帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2020年11月20日号




「宗教がかっている」と言われ…帯津医師が自分の「信仰心」を明かす (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

「宗教がかっている」と言われ…帯津医師が自分の「信仰心」を明かす (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

「宗教がかっている」と言われ…帯津医師が自分の「信仰心」を明かす

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

帯津良一週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

折口信夫博士 (c)朝日新聞社

折口信夫博士 (c)朝日新聞社

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「私の信仰心」。

【折口信夫さんの写真はこちら】

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【古代人】ポイント
(1)「帯津先生は宗教がかっている」と言われることが
(2)私は宇宙の真理を翻訳者なしで読んでいる
(3)私の信仰心は古代人のレベルなのかもしれない

 以前にも書きましたが、私は宗教にあまり関心がありません。ところが一方で、「霊性」とか「あの世」とかについてよく語るので「帯津先生は宗教がかっているのではないか」と言われてしまうことがあります。

 駿台予備学校で医学部志望の学生を前に講演したときにも、そういうことがありました。真面目そうな学生さんが質問に立ち上がり、「先生の言っていることは、宗教ではありませんか」と問いただしたのです。私は一瞬たじろぎましたが、とっさにこう答えました。

「いえ、私は宇宙の真理を解き明かそうとしているだけで、それは宗教ではありません。宇宙の真理を上手に翻訳した天才の思考や行動に感動し、共鳴した人々が集まって教団をつくるのが宗教です。つまり宗教の教祖は名翻訳者です。私は翻訳者になろうとは思わないし、翻訳者に対する興味もありません。私は宇宙の真理を原書で読んで、それを私が求める医療につなげたいと思っているだけなのです」。学生さんたちの前で、ずいぶん偉そうなことを言ってしまったものです。

 こういう私も信仰心といったものがないわけではありません。毎朝、観音さまを拝んで、大きな声で「延命十句観音経」を唱えています。

 私の生家は浄土宗のお寺の門前にありました。ですからお寺の境内が遊び場だったのです。そして毎月8日の縁日には、身を正してご本尊さまを拝みました。4月8日の灌仏会(かんぶつえ)には庫裏に安置された釈尊像に甘茶を注ぎました。こうしたことを思い出すと当時の敬虔(けいけん)な気持ちが蘇(よみがえ)ってきます。しかし、その信仰心とは神仏に対する畏怖(いふ)の念ではなかったと思います。




広辞苑には「信仰」について「宗教活動の意識的側面をいい、神聖なもの(絶対者・神をも含む)に対する畏怖からよりは、親和の情から生ずると考えられ」とあります。まさに私の信仰心も親和の情なのです。それは実は、相手が仏陀(ぶっだ)であろうとイエス・キリストであろうと変わりません。

 民俗学者で国文学者の折口信夫博士は、日本に仏教やキリスト教が伝来する前の「古代人」の心を探ろうとした人です。その折口博士の考え方を解説した本で次のような記述を見つけました。

「人間の知覚も思想も想像も及ばない、徹底的に異質な領域が『ある』ことを、『古代人』は知っていた。(中略)すでに死者となった者やこれから生まれてくる生命の住処(すみか)である『あの世』または『他界』もまた、世界を構成する重要な半分であることを、『古代人』たちは信じて疑わなかったのである」(『古代から来た未来人 折口信夫』中沢新一著、ちくまプリマー新書)

 これは私の虚空に対する思いと同じです。私の信仰心は古代人のレベルなのかもしれません。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

※週刊朝日  2020年12月4日号

 
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帯津良一
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帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

貝原益軒 養生訓 「健脳」養生法――死ぬまでボケない ナイス・エイジングのすすめ

コロナ禍のストレス軽減で注目の“瞑想” グーグルでは専用の部屋も (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

コロナ禍のストレス軽減で注目の“瞑想” グーグルでは専用の部屋も (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

コロナ禍のストレス軽減で注目の“瞑想” グーグルでは専用の部屋も

※写真はイメージです (GettyImages)

※写真はイメージです (GettyImages)

車座になってマインドフルネスを実践する様子。右から2人目が中村さん=SELECK(セレック)提供

車座になってマインドフルネスを実践する様子。右から2人目が中村さん=SELECK(セレック)提供

 コロナ禍の今、ついイライラして悪態をついたり、悩み悔やんだりすることはないだろうか。そうした心のストレスを減らす効果があるという「マインドフルネス」が注目を集めている。仏教に由来し、宗教色を取り除いた瞑想(めいそう)法だ。社員のために取り入れる企業も増えてきている。

【写真】車座になってマインドフルネスを実践する様子

「マインドフルネスを通じて、物事への反応や捉え方、ストレスの感じ方が変わります。心と体にゆとりを持った生活が期待されます」

 そう語るのは「にこフル」代表の中村悟さん。ヤフーやカルビーなどの企業を含め、これまで5千人以上に講師としてマインドフルネスを伝えてきた。

「日本では2016年くらいから広まり始め、ここ数年はメンタルヘルス対策として研修などで導入・検討する企業が増えてきています。特にこの1年間はコロナ禍もあって、世の中全体が『散らかっている』状態。マルチタスク(同時に複数の仕事をこなすこと)やリモートワーク(在宅勤務)が求められ、家と会社のオン・オフの切り替えがうまくできないという人が多い。それが注目される理由ではないでしょうか」

 中村さんの導きで、記者も実際に体験してみた。

「まずは1分間、ぼーっとしてみてください」

 雑念はよくないだろうと思い、無心になろうとする。だが、環境音や仕事の進捗(しんちょく)の不安など、いろんなことが頭をよぎった。

「無心になれなかったという『評価』はする必要がありません。無になることが目的ではなく、いろんなことを考えていたなと、俯瞰(ふかん)的に観察できていればいいんです。自分はこういう状態であるということに気づいていることが、マインドフルネスにおいては重要です」

 次に、ひたすら呼吸に注意を向ける3分間のマインドフルワークを試みる。椅子に座ってする場合は、両足を地面につけ、臀部(でんぶ)は座面にぴったりとつける。下半身をどっしりとさせて座るイメージだ。上半身は背筋を伸ばしてリラックスさせる。

「ほとんどの人が、始めて数秒後に気がそれます。大切なのは注意がそれたことに気づけるかどうか。気づいたら再び呼吸に注意を戻します。その繰り返しです。この反復練習がトレーニングになります」


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3分間を終えて感じたのは、1回目より集中し、気持ちの切り替えがうまくいったようだということだ。


 マインドフルネスによって、心理的ストレスの低減や作業効率の上昇、免疫機能の向上などが期待できるという。その理由はどこにあるのか。


『高齢者のマインドフルネス認知療法』の共編著があり、米ミシガン大の老年医学センターでソーシャルワーカーを務めるフォーク阿部まり子さんが解説する。


「元はお釈迦様が教えられていたもので、2500年前から伝わる原始仏教が由来です。その教えは漢語では『念』。文字からもわかるとおり、“今の心”に気づくことをマインドフルネスと言います」


 念の教えが西洋に渡った際に、宗教を離れてヘルスケアに役立つように応用されたのがマインドフルネスだ。1970年代に米国の研究者によって開発された。


「医学ではどうにもできないような疼痛(とうつう)などの慢性疾患を対象として始まったトレーニングが、今のマインドフルネスの広がりのきっかけです。一般の人たちに広く知られるようになってきたのは、ここ10年ほどのことです」


 契機になったのは、2007年に巨大IT企業の米グーグル社が企業研修に導入したことだ。社内には専用の瞑想室が設けられ、社員に人気だという。阿部さんによれば、米国では州によって、学校教育の中でマインドフルスクールとして教えるところもあるうえ、高齢者にも人気が高いという。


「自分の心の状態に気づくというのは、うつや不安症の予防にも役立ちます。私は主に高齢者を対象にカウンセリングをしていますが、この10年くらいで心理療法として使うようになりました。エビデンス(根拠)に基づいた科学的研究が多く発表されていて、高血圧、摂食障害にも効果があります。精神科医からの依頼も増えていて、需要の高まりを感じています」


“今の心に気づく”とは具体的にどういうことなのか。マインドフルネスに詳しい琉球大学の伊藤義徳教授が説明する。

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「まず今ここでの経験に心を向けて気づくこと。たとえば今、足の裏は何を感じているか、普段は意識が至っていないと思います。そこに思いを至らせることでそこにある感覚に『気づく』という経験がマインドフルネス。もしそこにかゆみがあれば、『嫌だ』『かきたい』などの『評価』が生じ、通常そうした無意識の評価に従って『かく』などの行動をします。そうした評価を手放して、自分の心があちこちに動いているなと経験していくうちに、自分を俯瞰的に達観して見られるようになります」

 こうしたトレーニングによって、心が動くことにとらわれるのではなく、心が動いていること自体を眺める目線ができるという。それがひいては、感情を衝動的に表したり、ストレスを重く感じたりすることへの対処法につながる。

 実際に効果も出ている。伊藤教授は続ける。

「マインドフルネス認知療法によって、うつや自殺願望の再燃が抑えられることがわかっています。私たちの研究室では昨年、自殺願望を持つ方々を対象にマインドフルネス認知療法を行いました。コロナによって世界人類の精神健康が悪化し、参加者の中には仕事を失った方もいましたが、追跡調査の結果、参加者の精神健康は悪化することなく維持されていました」

 他にも、08年のリーマン・ショック時に、マインドフルネス傾向の低い人は主観的幸福感が下がり、マインドフルネス傾向が高い人はその影響を受けなかったとする研究結果や、マインドフルネス傾向が高い人のほうが認知症になる比率が低いという数字も出ているという。

 そうしたこともあって、今年9月、福岡市が自治体として初めて、市民の健康のためにマインドフルネスを導入した。

「まずは医療や福祉関係の事業者向けにプログラムを提供しました。当初は200人程度の募集予定でしたが、申し込みが多く、実際には300人程度での実施となりました」(担当者)

 大きな広がりを見せるマインドフルネス。記者が取材した3人は「まず実践が大事」と口をそろえる。ただ、「ストレス軽減のため」などと手段としてマインドフルネスを始めると、「効果があった」「なかった」という「評価」が生まれてしまい、うまくいかないという。伊藤教授は、こう語る。

「自分自身とうまく付き合い、自分自身を整理するための、人生の大きな目標として始めるのがいいです。心の筋トレとして捉えてください。無理してやるものではありません。できる範囲で、たとえば寝る前の5分でもいいので、まず始めてみて、そして続けてみてはどうでしょうか」

(本誌・秦正理)

※週刊朝日  2020年12月11日号


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他国より来世を信じない日本人 「死への不安」も強い傾向と帯津医師が解説 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

他国より来世を信じない日本人 「死への不安」も強い傾向と帯津医師が解説 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

他国より来世を信じない日本人 「死への不安」も強い傾向と帯津医師が解説

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

帯津良一週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長

冗談を交えながら、教職員にアドバイスする京都大学のカール・ベッカー教授=2013年当時、京都市 (c)朝日新聞社

冗談を交えながら、教職員にアドバイスする京都大学のカール・ベッカー教授=2013年当時、京都市 (c)朝日新聞社

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「来世と死の不安の関係」。

【教職員にアドバイスする京都大学のカール・ベッカー教授の写真はこちら】

*  *  *
【死後】ポイント
(1)他国より来世を信じない日本人は死への不安も強い
(2)来世を信じても死の不安のすべてはなくならない
(3)スピリチュアリティーに対して謙虚に心を開こう

 ターミナルケアや死生学を専門分野にしている宗教学者のカール・ベッカーさんとは古いつきあいです。そのカールさんの教え子がうちの病院で臨床心理士として働いていたことがあります。

 藤田みさおさんというとても優秀な方でした。その後、京都大学の博士課程に進学され、現在は同大iPS細胞研究所で特定教授をされています。

 その藤田さんが病院にいた時に書いた原稿が「来世を信じることは死の不安をやわらげるか──がん医療の現場から」というものでした。とても興味深いテーマです。カールさんが編者をした『生と死のケアを考える』(法藏館)という論考集に収録されています。

 藤田さんは国別の死の不安の強さについて、様々な文献によって考察しています。死の不安を心理テストで数量化すると、そういう比較が可能になるのです。その結果、東南アジア人が死を最も恐れない民族であり、欧米人は中くらい、一番死を恐れるのは日本人であることがわかりました。

 なぜそうなるのか。ギャラップ社が行った国際的な世論調査によると(藤田さんが原稿を書いたのが2000年ですから、かなり古い調査です)、死後の世界を信じる人が米国で67%、豪州で43%を占めるのに対し、日本では18%しかいないのです。つまり、来世を信じない日本人は死への不安も強いと考えられます。


藤田さんによると、来世を信じることで、死が怖くなくなるという調査結果はいくつもあるとのことですが、興味深いのは臨死体験者40人へのインタビューです。臨死体験の前後で、死後の世界があると信じる人は47%から100%に増加し、死への恐怖があるという人は78%から0%に減少したというのです。臨死体験は来世の存在の証明にはなりませんが、体験者にとっては実にリアルなものなのでしょう。


 藤田さんは死の不安の内容についても踏み込んでいます。死の不安とは、自己の存在が消滅することへの恐怖感のほかに、苦痛のなかで死んでいく不安、家族や友人と別れてしまう不安、自分が死体になったり埋葬されたりする不安など様々あります。藤田さんは病院での臨床体験を踏まえて、来世を信じることで死の不安がすべてなくなるわけではないと語り、そういう実例を紹介しています。その上でこう結論づけています。


「(来世といった)目にみえないもの、科学で明らかにされていないものによって、患者だけでなく、家族や知人、医療スタッフも癒(いや)されることがある。(中略)こうしたスピリチュアリティーに対して謙虚に心を開いていくところに、終末期医療の内容を豊かにしていく可能性が秘められているのではないか」(同書)


 私もまさに、その通りだと思っています。


帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中


※週刊朝日  2021年1月22日号



日本の死生観に魅せられた米国人教授が危惧する“葬式不要論” 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

日本の死生観に魅せられた米国人教授が危惧する“葬式不要論” 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

일본의 생사 관에 매료 된 미국인 교수가 우려하는 "장례 불요 론"
오 사키 百紀2020.12.18 08:02주간 아사히
 
※ 사진은 이미지입니다 (GettyImages)
※ 사진은 이미지입니다 (GettyImages)

 


 마음의 버팀목이었던 부모가 죽으면 많은 사람들은 이렇게 생각할 것이다. "친정에 자주 돌아 가면 좋았다" "더 상냥한 말을 걸어두면 좋았다." 아무리 간병 및 간호를해도 후회가 남는 것이 부모와의 이별이다. 후회와 슬픔으로 고통 받고 무너져 않도록 잘 알고 있어야하는 것은 -.

 고인을 [사모 (시노)ぶため월 기일에 유족이 모이는 일본 고래의 지혜가 유족의 마음의 케어로 이어질 ──. 이렇게 설교는 미국의 종교 학자 교토 대학 특임 교수 칼 베커 씨이다.

"이제 영국과 미국의 일부 병원에서도 받아 들여지고 있습니다. 유족을 병원 회의실에 불러 식사를하거나 노래를 부르거나 울거나 웃거나하고 있습니다"

 유족의 고독과 불안한 마음을 완화, 불면증이나 우울증, 거식증, 폭식증 등을 막는 효과가 있다는 것이다.

 베커 씨는 일본인의 사생관에 매료되어 연구 해왔다. 과거 일본은 영혼은 영원 파악해 사람은 죽어도 옆에 있다는 느낌이 있었다고한다. 그래서, 월 기일에 유족들이 모여 그것이 그리프 케어로 이어졌다.

"일본의 관습인데, 지금 일본은 소홀히하고 있습니다. 구미에서는 continuing bonds (계속 인연)으로 번역되어 소개되고 있습니다"

 단순화가 진행되는 것은 월 기일뿐 아니다. 불단을 두지 집이 많아졌다 외에 장례도 화장 만의 '직 장 "밤샘을하지"1 일장 "장례, 장례식 참석자를 제한하는'가족 장 '을 선택하는 사람이 많아 했다. 그러나 베커 씨는 장례식을 제대로 할 수 그리프 케어된다고 지적한다.

"부모가"장례식은 불필요 "라고 남겼다해도 친하게 지내던 친척이나 친구에게 얘기해 수행해야합니다. 그것은 남겨진 측면의 마음의 상처를 냉각뿐만 아니라 거기서 주도 사람과의 교류가 유족의 후속 삶의 버팀목이되기 때문입니다. "

"부모가"하지 않아도 좋다 '는 것은 아이들에게 폐를 끼치 지 않으려는 생각부터 유족에게 장례가 얼마나 의미 깊은 여부는 알려져 있지 않다 생각합니다. 장례식은 고인의 소중한 사람 이어지는 마지막 기회입니다 "

 初七日법회과 장례식을 함께 일 할 수도 많지만, 베커 씨는 이것에 이의를 제기.

"初七日, 49 일,初盆, 월 기일 등으로 모이는 유족이 빨리立ち直れる. 이것은 여러 연구에서 입증되고있는만큼 분명하다"

(본지 · 오 사키百紀)

※ 주간 아사히  2020 년 12 월 25 일호

불교 총지종


http://www.chongji.or.kr/
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총지종과 밀교

불교총지종은 ‘불교의 생활화, 생활의 불교화’를 표방하고 자리이타의 대승불교 정신을 일상에서 실천하는 생활불교 종단입니다.

천 년의 잠을 깨고 우리 앞에 나타난 밀교(密敎)

불교는 현교(顯敎)와 밀교(密敎)로 나눠진다. 현로불교(現露佛敎)를 줄인 말인 현교는 ‘석가모니불을 교주(敎主)로 하는 응화불(應化佛)의 가르침이고, 비밀불교(秘密佛敎)를 줄인 말인 밀교는 ‘비로자나불을 교주로 하는 법신불(法身佛)의 가르침’이다.

현교의 교주이신 석가모니불은 이천 오백여 년 전 근기에 따라 팔만 사천 가지의 다양한 방법으로 설해져 있으므로 현로불교, 즉 현교라한다. 밀교의 교주이신 비로자나불은 법신불이므로 우리 중생의 눈으로 볼 수 없고[비불 秘佛], 그 법 또한 비오(祕奧)에 가려져 신통묘유(神通妙有)함을 헤아릴 수 없기 때문에 ‘비밀불교’라고 한다. 하나는 법이 드러나 있기 때문에 ‘드러난 불교’ 즉 ‘현교’라 하고, 또 하나는 법이 비밀이기 때문에 ‘비밀의 불교’ 즉 ‘밀교’라 한다.

이러한 밀교는 신비성, 상징성, 의례성 등을 그 특징으로 하고 있으며, 신밀(身密) 구밀(口密) 의밀(意密)의 삼밀관행을 통해 법신불인 비로자나부처님의 비밀의 세계를 직접 체득해 즉신성불(卽身成佛)에 이르는 길을 제시하고 있다.

밀교의 역사와 총지종의 탄생

밀교는 기원 후 5~6세기 인도 대승불교 이후에 등장한 실천불교로써 신구의(身口意)의 삼밀 수행법으로 즉신성불(卽身成佛)을 이루고자 하는 비밀불교이다.

신라시대 때 시작된 한국밀교는 통일신라와 고려에 걸쳐 흥왕했고, 현대에 들어 불교총지종이 탄생함으로써 현대 불교는 새로운 중흥을 맞이하게 되었다.

총지종의 창조주이신 원정 대성사는 ‘진리는 현실과 동떨어진 것이 아니며 바로 우리의 삶 가운데에 있다’라고 갈파하시며 때와 장소, 형식에 구애됨이 없이 생활 가운데 실천 할 수 있는 비밀불교의 문을 밀교의 조직과 체계, 수행법으로 여시었으니 그것이 곧 1972년 12월 24일, 탄생한 총지종이다.* 즉신성불(卽身成佛) : 도를 깨달으면 육체가 있는 그대로 곧 부처가 됨

대승불교의 정신을 일상에서 실천하는 생활불교 총지종

불교총지종은 ‘불교의 생활화, 생활의 불교화’를 표방하고 자리이타의 대승불교 정신을 일상에서 실천하는 생활불교 종단이다. 실천불교인 총지종의 특징은 편의보발과 함께 도심에 현대화된 사원을 건설해 누구나 쉽게 불문에 들어올 수 있게 하며 모든 의례와 의식을 간소화하고 밀교의 수행법에 의해 오직 마음의 실상을 찾는데 수행의 초점을 두고 있다.* 자리이타(自利利他) : 자신을 위할 뿐 아니라 남을 위하여 불도를 닦는 일



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