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若松 英輔若松 英輔
Mieko Kamiya, “A Reason For Living”, May 2018 (A Masterpiece in 100 Minutes) Mook – April 25, 2018
by 若松 英輔 (Other Contributor)
4.1 4.1 out of 5 stars (174)
苦しみや悲しみの底にある「光」
失われた「生きがい」をいかに取り戻すか──。岡山県のハンセン病療養施設・長島愛生園で精神科医として働いた神谷美恵子が描き出した「極限状況を生きる患者たちの姿に見出した希望」をヒントに、東日本大震災や熊本地震に直面した私たちが困難と向き合う意味を考えていく。
116 pages
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若松 英輔
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若松 英輔
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。
2007 年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14 回三田文学新人賞受賞。
2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』にて第2回西脇順三郎学術賞受賞。
2018年詩集『見えない涙』で第33回詩歌文学館賞を受賞。
2018年、『小林秀雄 美しい花』で角川財団学芸賞を受賞。
2019年、『小林秀雄 美しい花』で蓮如賞を受賞。
著書に『井筒俊彦 叡知の哲学』(慶応義塾大学出版会)、『生きる哲学』(文春新書)、『霊性の哲学』(角川選書)、『悲しみの秘義』(ナナロク社)、『イエス伝』(中央公論新社)『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)『言葉の贈り物』『弱さのちから』(亜紀書房)など。
==
From Japan
広沢とら
5.0 out of 5 stars より深い読書へ誘う書
Reviewed in Japan on June 13, 2022
Format: MookVerified Purchase
いっきに読んでしまいました。
よくまとまっていて、とても参考になりました。
脚注や貴重な図版も、神谷美恵子さんというひとを理解するのに大きな助けになります。
ありがたい一冊。
内村鑑三、新渡戸稲造、三谷隆正のことを深く知りたくなりました。
◆読書ノート
若松英輔著
『100分de名著、神谷美恵子「生きがいについて」』
NHK出版、2018年5月号
▼脚注頁数
[ ]内は、神谷美恵子コレクション『生きがいについて』の頁数
【あ】
石牟礼道子(いしむれみちこ) 53
井筒俊彦 30
不動如山(うごかざることやまのごとし) 80
内村鑑三 12
内村祐之(ゆうし) 55
大江満雄 35[296, 300]
太田雄三 43
岡倉天心 92
【か】
ガブリエル・マルセル 48[96]
金澤常雄 29
神谷宣郎 83[286]
栗生楽泉園(くりうらくせんえん) 111
近藤宏一 110[220, 300]
【さ】
サバルタン 11
サルトル 48[40, 96, 157, 260]
志樹逸馬(しきいつま) 34[(6), (177), (195), (229), 298, 299, 300]
【た】
多摩全生園 29[172]
デカルト 27
テニスン 92[106, 184]
道元 27
【な】
長島愛生園 23[5-6, 23-24, 59, 61, 65, 116, 119-120, 129, 148, 166, 172, 180, 184, 187, 190, 194, 204, 207, 218, 220, 229, 235, 238-239, 252, 262, 272, 276, 278, 284]
ニーチェ 64[150]
新渡戸稲造 125
野村一彦 54
【は】
ハイデッガー 48[71, 96]
パステルナーク 128
パスカル 107[14, 45, 97, 200, 247, 256]
ハンセン病 23[(らい)5, 7, 65, 118, 125-126, 135, 157, 169, 173, 185, 207, 209, 220, 222-223, 228-230, 235, 237, 241-242, 251-252, 279-280, 286-288]
ハンセン病の後遺症 37
ハンフォード 77
藤井武 88[105, 121, 146]
ブッダ 138[(仏陀太子)96]
フランクル 22[11, 53, 71, 76, 139]
フロイト 74[66, 143, 205]
法然 196[272]
ホワイトヘッド 118[75, 117, 223, 254-256, 263, 323]
【ま】
前田多門 125[(1), 286]
マルティン・ブーバー 121[110, 161, 231, 249, 262, 265]
三谷隆正 124[259]
ミルトン 77[38, 41-47, 72, 145]
無教会運動 12
【や】
ヤスパース 48[76, 96, 114, 201-202, 209, 313-314]
矢内原忠雄 89
柳宗悦(やなぎむねよし) 56[232, 259, 272-273]
▼写真、図版、その他
口絵1 神谷美恵子、『生きがいについて』を執筆していた頃
口絵2 机と愛用の品々
口絵3 1960(昭和35)年7月3日の日記、「どこでも一寸切れば私の生血がほとばしり出すような文字、そんな文字で書きたい、私の本は」
口絵4 神谷美恵子、1960年長島愛生園の入所者が撮影した写真
16 ニューヨークの日本文化会館館長に就任した父・前田多門と、コロンビア大学に通っていた美恵子(1940年)
33 神谷美恵子略年譜
45 肺結核療養中に独習したギリシャ語で読んだ新約聖書
61 1959(昭和34)年12月22日の日記、「夜おふろの中で「生甲斐について」という本をかきたいと考えて夢中になった」
62 1960(昭和35)年7月3日の日記、「どこでも一寸切れば私の生血がほとばしり出すような文字、そんな文字で書きたい、私の本は」 →口絵3
63 神谷美恵子、長島愛生園近くの海岸にて(1959年)
70-71 国立療養所長島愛生園、隔離の歴史
79 「島へ送る切手」とラベルがある箱 →口絵2
84 家族、生物学者の夫・神谷宣郎、ふたりの子と(1950年)
97 『生きがいについて』構想メモ
117 1953(昭和28)年、視覚障害のある患者を中心に結成されたハーモニカバンド「青い鳥楽団」、演奏風景
同 近藤宏一さん作詞・作曲、「青い鳥行進曲」の歌詞が掲載された、演奏会パンフレット
123 講義をする神谷美恵子(1968年)
124 1927(昭和2)年に新渡戸稲造から贈られた『武士道』フランス語版
131 神谷美恵子、長島愛生園の座談会(1964年)
同 1968(昭和43)年、不眠を訴える34歳男性(長島愛生園入所者)のカルテ
▼若松英輔さんの視点
(キーワード、キーパーソン)
「*」印は、脚注
[ ]内は、神谷美恵子コレクション『生きがいについて』の頁数
大地 5, 38[175-176, 250, 276]
自然 5, 38, 105
サバルタン 11*
内村鑑三 12*
無教会運動 12*
照らされる 24, 34, 44
志樹逸馬 7, 34*[(6), (177), (195), (229), 298, 299, 300]
精神的自叙伝 42, 48, 68
野村一彦 54*
柳宗悦 56*, 134[232, 259, 272-273]
待つ 73, 79-80, 106[70, 149, 176]
近藤宏一 110*[220, 300]
三谷隆正 124*[259]
新渡戸稲造 125*
精神化された宗教 128[239]
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小坂 泰久
4.0 out of 5 stars 生きがいについて
Reviewed in Japan on November 3, 2022
Format: MookVerified Purchase
大変勉強になりました。
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まさ
5.0 out of 5 stars 神回のテキスト
Reviewed in Japan on July 10, 2023
Format: MookVerified Purchase
この回に出演したNHKアナウンサーが思い立って退職し、医学部に進むきっかけとなった神回のテキスト。
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アマゾンユーザー
3.0 out of 5 stars 現代社会に疲れた元一部上場企業会社員(現独身無職30代後半)の琴線に触れるか
Reviewed in Japan on May 8, 2022
Format: MookVerified Purchase
100分de名著は好んで見ております。
「生きがいについて」も、kindle版の発売が終わったあとに番組を見て、わざわざ紙の本を買って読みました。
私は著者や解説者ほど感性や深い洞察に満ちた人間ではない、ごく"ふつう"の人間です。
むしろ健常者として現代社会に生きています。
世の中と会社に疲れて離職するタイミングで番組を見、本も読んでから3か月ほど経ちます。
抑圧されたマイノリティに寄り添う姿勢は尊敬に値しますが、他者へこのようなまなざしを向けられるのは、ある程度「持ち合わせている」人に限られるのではと強く思いました。
安月給でろくに休みもなく働いた末に心身を崩した無職の人間(離職後、転職に失敗して無職で公的資金の世話になって食いつないでいます)の琴線に触れるかというと、そんなことなかったです。
安全牌を手放さないようにうまく立ち居ふるまって生きるとか、面白くないことも我慢して安定したつまらない会社に居続けて"余裕"を持ってでしかたどり着く術がわからないほど不器用なアラフォー独身無職には、高潔すぎて久々に共感できないものでした。
レビューを見て惹かれていたのですが、自分で勝手に期待を上げすぎていたのもよくなかったのかもしれないです。
放送当時本書を見て職を辞し、晴れて医学生に転身したという担当アナウンサーがいるという"実例"に勝手に注目したのもよくなかったのかもしれません。
読んで「合わなかったな」と思う本って少ないのでこういう結論に至ったのは驚いていますが、結局「持ち合わせている」人である、そうなって然りといったことが大前提の本だと思いました。
本書が刊行された当時「いきがい」なる言葉が曲解されて流行語になったことに憤りを覚えたと番組で紹介されていましたが、そうなるよなと思いました。大衆の知性なんて、そんなものですよ。55年近く経つ今でも。
「持ち合わせている人」に対するただの嫉妬と羨望かもしれないことも認めたうえで、ちょっと書かせてもらいました。
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transient
5.0 out of 5 stars 大きな悲しみは、人生の中で最も大きな幸せ
Reviewed in Japan on February 17, 2025
Format: Mook
100分 de 名著で紹介された、私にとって最も大切な著作の一つです。
地域での差別や仕事の引退、そして家族の病があり、喪失感と不安に陥っていた中で自分自身の中心と向き合え、そしてこれからのことを前向きに考えさせてくれる書物でした。
50代60代の方であれば、誰でも一度は通って大きな気づきが得られる書物では?…くらいに思っていましたがレビューを読んでいると必ずしもそうでは無いのだな…と、残念でした。
さて、若松氏の本書。そして放送回。これらは当然同じ書物、同じテーマを扱う内容ですが、
若松氏の執筆とスタジオでのトークという形態の違いから、取り扱う内容が少し違います。
本書も素晴らしいのですが、番組でしか聴けない島津さんの経験の話も素晴らしく、そして若松さんと伊集院さんの以下、テニスンの詩についての会話には(ある意味、とても過激な言葉なのですが)強烈に心をえぐり取られ、そして救われました。
(若松)愛する人を失うという経験は、自分の中にあった意識していなかった愛というものの発見だと思うのですよね。
我々は誰かが亡くなって悲しいと思いますでしょ?悲しいと思うことはその人のことを愛していたということなんです。悲しみを深めていくという経験は自分の愛したという経験を深めていくこと。
(伊集院)でもたまに、こ〜んなに別れが辛いんなら、好きにならなければ良かったって…言ってしまいがちじゃ無いですか?
(若松)『この人になんか会わない方がよかった。こんな悲しい思いをするのなら…』というのは、人生の中で最も大きな幸せじゃないですかね?
(伊集院)!!!そこまで悲しいということは…。それだけ大きなものを少なくとも持っていた…。
(若松)持っていたし、大きなものを作り上げたということじゃないでしょうかね。
そんなに誇り高いことは僕は無いと思いますけどね?
再放送やこちらprimeのNHKを契約されていましたら是非観ていただければと思います。
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スカラベ
5.0 out of 5 stars どこでも一寸切れば私の生血がほとばしり出すような文字、そんな文字で書きたい。
Reviewed in Japan on May 4, 2018
Format: MookVerified Purchase
「舌読」という言葉を始めて知った。ハンセン病はしばしば視力を奪う。
だから見えない人は、点字を用いる。でも悪いことに、ハンセン病はときに、
指をも奪う。そうした人は点字を唇と舌にあてて読むしかない。点字の凹凸は
固く、やわらかな口唇と舌を傷つける。口中血にまみれながら本を読むのである。
ここまでして読むのは自分のためだけではない。読むことのできない友に語って
聞かせるためだ。それが彼らの「生きがい」なのである。
神谷美恵子(1914-1979)。瀬戸内海に浮かぶ長島の愛生園の初代精神科医長。
解説の若松英輔氏は100分de名著ではおなじみだ。この本で若松氏は方程式
(神谷美恵子、『生きがいについて』、ハンセン病)
=(石牟礼道子、『苦界浄土ーわが水俣病』、水俣病)
を提示して、このお二人の立ち位置を教えてくれる。これらの著作は、
ハンセン病患者・水俣病患者との出会いが出発点であるが、生きることの苦しみと
いう観点ではすべての人に共通なテーマを扱っている。お二人ともこれらの著作を
「自分の」著作だとは思っていない。彼女たちは「同志=患者」たちに学び、
教えられ、一緒になって書いたと考えている。
この解説書を読むと、神谷美恵子には、新渡戸稲造と内村鑑三という日本独自な
キリスト者の精神が父前田多門(戦後初の文部大臣)を通して流れ込んでいる
ようだ。それも既成宗教や宗派の枠にとらわれず宗教を原点に帰って捉える精神、
つまり美も愛も認識も「宗教」に包まれるようなやわらかで普遍的なこころの
ありかた、といったもので捉える。
神谷美恵子は多くのことをこの本で語っているが、私の最も印象に
残ったことばは、
・・人は何かにつまづいて、はじめてその障害物の所在を知る。
私のしごとはそんなものにすぎなくてもいいのではないか。・・
障害物から人を救おうと声高に叫んでいるわけでもない。謙虚にただ寄り添う。
言葉はいらないかもしれない。なぐさめる為には言葉よりも沈黙のほうが
勝っている場合もあるから。
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カスタマー
4.0 out of 5 stars 一つ疑問点
Reviewed in Japan on May 31, 2018
Format: MookVerified Purchase
共鳴できる点も多いですが、一つ疑問点があります。
若松さんは第1回の番組の中で、「使命感の罠」(p.30)について、ヒトラーの使命感は「自分のために誰かを使う」ものだったかのような言い方をしていましたが、ヒトラーも動機的には「人類のため」という動機で行動していたと思います。「人を使う」のは目的達成の手段であって、目的自体は「人類のため」です。自分のためにした部分もあるかもしれませんが、全体としては、「世の中全体のため」という動機でやっていたと思います。悪人と見なされた人は動機も何もかも悪く解釈される傾向がありますが、ヒトラーの問題点は、彼が目標とした理想社会の内容とその基礎にある思想、および、その理想社会を実現する方法にあっただけで、動機自体は利己的なものではなく、「世の中全体のため」という動機でやっていました。日本の青年将校によるクーデターなども同じです。これらの事例は、「動機の正しさや純粋さ」だけではダメで、目標やその基礎にある思想内容の十分な吟味が重要であることを示しています。
急進的な理想主義者が独裁化しやすい理由は、理想実現への熱意が強いため、ゆっくり世論や周囲を説得するのがまどろっこしいからで、権力自体は目的達成の手段であって目的ではありません。自分のしていることを「使命」ととらえることの問題点は、神谷さんが
「ある使命感が精神医学でいう「過価観念」となって視野をせまくし、反省機能をにぶらせることもある」
(「二 生きがいを感じる心」の終わりのあたり、本書p.30の引用箇所の2つ目の「中略」部分に相当)
と述べているように、自分の考えを絶対化し過ぎて、再検討する姿勢がなくなる場合があるということにあります。使命感は良い方向でも悪い方向でも人間を強くしますが、悪い方向だからと言って動機が利己的とは限りません。もし動機に利己的な要素が増え過ぎた場合、それは使命感からの逸脱であって、使命感自体の問題ではありません。使命感自体の問題点は、自分の考えを再検討する姿勢が不足することにあります。ヒトラーにはこの傾向が顕著に見られましたが、動機自体は「人類のため」という動機でやっていたと思います。
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片岡義忠
5.0 out of 5 stars 迅速に対応して頂き感謝しています。
Reviewed in Japan on November 10, 2022
Format: MookVerified Purchase
大変 気に入りました
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mt
3.0 out of 5 stars 今一つ、迫ってこない。
Reviewed in Japan on June 3, 2022
Format: MookVerified Purchase
原作が凄すぎるせいなのか、周辺を迂回しているような印象。
若松英輔さんの解説なのでレベルは高いと思うのですが、今一つ迫ってきませんでした。
本書は特に読む必要はないかも。原作こそ、必ず読んでほしい。
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べこちゃん
2.0 out of 5 stars 中身
Reviewed in Japan on February 26, 2023
Format: MookVerified Purchase
解説書とは思わなかった
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From Japan
koichi
4.0 out of 5 stars 入門
Reviewed in Japan on August 1, 2018
Format: MookVerified Purchase
神谷美恵子さんの著作はぼく自身は読んだことがありませんでしたが
この本で興味をもちました。現代における意義なども書いてあり
全体的にも公平な記述だと思いました。
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ぱすと〜る
5.0 out of 5 stars 自分の外にあるものに、開かれ、つながる
Reviewed in Japan on November 21, 2020
Format: MookVerified Purchase
人から称賛され、自分も満足できる地位に就く。多くの財産を手に入れる。神谷美恵子さんや若松英輔さんが語る「生きがい」とは、そのようなものではありません。
この本を読んで、生きがいとはぼくの外とのつながりのこと、だと思いました。そして、ぼくの外にあるものとは、すなわち、ぼくの外とは、ぼく以外の人びとであり、自然であり、神のことです。神は世界の根源とも永遠とも言ってよいでしょう。このような外とのつながり、ぼくが独りで生きているのではないことこそが、生きがいだと考えました。
「野に一輪の花を見るように、また、さえずる鳥の音を全身で引き受けようとするときのように、私たちが隣人の言葉と向き合うとき、眠れる『生きがい』が何ものかによって照らし出される」(p.6)。
若松さんのこの一節はイエスの「空の鳥を見よ、野の花を見よ」という言葉と響き合います。イエスは鳥と花の一番深いところに神を見たのでした。そうすると、上の若松さんの言葉には、隣人としての自分以外の人びと、花鳥という自然、そして、神が詠まれていると言ってもよいでしょう。
さらに、「隣人の言葉」とあります。言葉もまたわたしたちの外にあります。言葉とつながることも生きがいです。言葉はわたしたちの中にもありますが、それが中にとどまらず、外の言葉と触れあい共振するとき、生きがいになるのではないでしょうか。
この十年ほど若松さんの言葉を読むことがぼくの生きがいになっています。というか、そこで、永遠を求めたり垣間見たり触れたりした人びとと出会いぼくもその仲間になることに生きがいを覚えています。
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山盛 登代子
4.0 out of 5 stars なつかしい!
Reviewed in Japan on June 6, 2018
Format: MookVerified Purchase
友人が昔教えてくれた神谷さんを取り上げていたので、嬉しくなってテキストを購入しました。定年後に読んでこの年だからわかった内容でした。
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メンタルタル
2.0 out of 5 stars 微妙
Reviewed in Japan on May 10, 2022
Format: MookVerified Purchase
いきなりこれを読むより、「生きがいについて」を先に読んでからの方がいいかもしれません。あまり頭に入ってこなかった。
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Amazon カスタマー
5.0 out of 5 stars NHKのこの番組が大好きです
Reviewed in Japan on October 18, 2021
Format: MookVerified Purchase
NHKのこの番組が大好きです
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yurikago1124
5.0 out of 5 stars 読みやすかったです。
Reviewed in Japan on May 30, 2021
Format: MookVerified Purchase
神谷美恵子さんの本は、若いころから気になっていたのですが、なんだか読む機会を逸していました。初めてこの解説書を拝読して、どんな方だったのか、概要がわかりやすくて、読みやすかったです。『生きがいについて』の原本も、機会があったら拝読したくなりました。とても真摯に物事を考え、取り組んで真剣に、真面目に生きることと向き合っていらした方なのだな…と感じました。自分は今、53歳なのですが、この歳でこの本に出逢えて良かったです。
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きみやん
5.0 out of 5 stars 本物のインテリ
Reviewed in Japan on June 11, 2021
Format: MookVerified Purchase
ハンセン病について読んでいくうちに神谷さんのことを知りました。美智子上皇の相談相手にもなっていらっしゃるようです。ただ頭がいいだけの「インチキゲンチャ」はたくさんいますが、学問と人間性とが合わさっている人は少ないものです。ハンセン病では、井深八重さんのことも知りました。人間の生き方や品性は、本当に様々ですね。少しでも見習いたいものです。「ごぎぶりに道徳を説くようなもの」と悪口を言われないように。
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douzen
5.0 out of 5 stars ガイダンスとして全体像理解
Reviewed in Japan on October 12, 2020
Format: MookVerified Purchase
神谷美恵子のガイダンスとして、良かった
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マルゴMargot
5.0 out of 5 stars 人それぞれの「生きがい」、その根源と尊厳と
Reviewed in Japan on May 30, 2018
Format: Mook
失望が絶望と変わり、眼前がモノクロの世界から蘇生しない時に、
生きる活力を与えてくれた二人の精神科医、V.E.フランクルViktor Emil Franklと神谷美恵子Emiko Kamiya。
死してなお職業能力の高さを有する二人は、精神科医の使命を教え体感させてくれた。
このテキストは、名著と共に、
深い思索、まさに「深き淵よりDe Profundis」の思索の書。
神谷美恵子女史は、尊父前田多門氏が師事した内村鑑三氏による無教会主義キリスト教の影響を受けている。
それゆえ、どこかの宗教に帰依や属することが苦手でありながら、
亡き実父の日常供養に思惟を重ねた私にも共感と賛同、そして共鳴できる
宗教観とその定義が提示され、源流の内村鑑三にまで関心を寄せた。
“宗教とは「普遍的な心のありかた、人間にふさわしい人生観」だと神谷は考えるようになる。
(中略)
そのような精神化された宗教、内面的な宗教は必ずしも既成宗教の形態ち必然的な関係はなく
むしろ宗教という形をとる以前の心のありかたを意味するのではなないかと思われる。
結局、宗教的な世界というものは表現困難なもので、
一定の教義や社会的慣用の形では到底はあらわせぬもの、
固定されえぬ生きたものであるからである。(『生きがいについて』からの抜粋部分)”
(第4回,p.128より)
“「待つ」ことは新しいものを生み出す、どうしても欠くことのできない営み”(第1回放送より)
約8年間に渉る、息子の不登校とその後遺症の看護において、失うことのほうが多かった結果に直面し、
これで良かったのだろうかと、徒労感と理不尽から来る絶望を払拭できずにいた時に出会った言葉。
容態に見通しがつきにくいとき、本当に安堵した言葉である。
経験則から、待つより他ないと分っていても、見直しをかけたくなり、回復期の処置に迷うからである。
若松英輔氏は、慶應義塾大学文学部仏文科卒業、三田文学編集長歴任(13年10月~15年12月)。
永井荷風を主幹に創刊された三田文学は慶應義塾大学文学部を中心に刊行されてきた文芸雑誌。
つまり、名門を体現しているお人である。
この人なくして、批評とはどういうものか真に知らずに、年月を経ることが続いたかもしれないと感じた程、
職業の専門性の精確さを知り得た批評家。端的に言えば、読書の功徳が倍加するのである。
抜粋した文章を基に読み解き解説していく批評家の文章に、文学に於けると言っても差し支えないか、
作家を上回る造詣の深さと広さを感じた。
一冊の書物を読み進める際に、行間や背景になんと多くの人々が関わり、
一文一文にその豊功が包含されていることか、
欄外の解説をも丁寧に読みながら回を重ねた良書である。
不登校の要因を、意識化や言語化が出来ずに苦しんだ不登校児童生徒に、
心からの共感と支持を表明して。
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Amazon カスタマー
5.0 out of 5 stars 導入に
Reviewed in Japan on October 14, 2018
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「100分de名著」は導入用にkindleで安く購入して、いつでも読めるようにしています。元の本もこれが読み終わったら読むつもりです。こんなkindleの使い方が一番いいかなと思います。
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Commander Cody
5.0 out of 5 stars 名著への扉が開く
Reviewed in Japan on May 27, 2018
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「生きがいについて」は、ずっと前から気にはなっていたが、積読になっていた書籍でした。Eテレの番組も素晴らしかったですが、本書を読んでじっくり原典にあたってみようと思う踏ん切りがつきました。
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鹿野苑
2.0 out of 5 stars 原典が見えない
Reviewed in Japan on December 23, 2023
Format: Mook
若松氏の100分de名著は2冊目なのだけど、今回も原典が見えない。
どうも若松氏の想いが先に出ている。ということで原典を読む。
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ringmoo
5.0 out of 5 stars 生きがい=自己目標+使命感
Reviewed in Japan on May 15, 2018
Format: Mook
NHKEテレで放送されている「100分de名著」は、毎週見ている楽しみにしている番組です。
しかし、「神谷恵美子」「生きがいについて」と言う予告があった時、作者も著作も全く知らず驚きました。
この作品が出版された時は、1966年で中学生時でしたので、ベストセラーになっていれば、それなりに名前くらいは知っていてもいいと思うのですが・・・。
この作品は、タイトル通り「生きがい」について書かれた本なのですが、非常に哲学的な部分もあるのですが、作者の自叙伝の様でもあるようです。
著作をまだ読んでいないので、はっきりと言えるわけではないのですが、この本の中の引用文からすると、どうも個々の逸話が沢山入っているようです。
いずれにしても、「いきがい」をどう持って生きてゆくか?と言うテーマ自体は変わりません。
「いきがい」について、「人間、言葉、自然を通じ、大いなるものの声を聞き、「生きがい」と出会う」。
そして、「過ち多き存在のままで、大いなるものに受け入れられる」と語られます。
更には、これに「使命感」と言うことまでも言及されます。
「どういうひとが一ばん生きがいを感じる人種であろうか。」と問いながら、「自己の生存目標をはっきり自覚し、自分の生きている必要を確認し、その目標にむかって全力をそそしで歩いているひと-いいかえれば使命感に生きるひとではないであろうか。」としています。
その他にも、「生きがい」の消滅、再生などについても書かれます。
ただ、私自身が一番強く胸を打たれたのは、疎外されたらいの収容所の人たちの活動や、詩などの創作活動の力強い活動の数々です。
どんなに疎外されても、「生きがい」を持つことは出来ると言うことを改めて確認しました。
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三島一郎
5.0 out of 5 stars 道を求め続けた神谷
Reviewed in Japan on June 21, 2018
自らを見つめ、病者を見つめ、変革体験を求め、精神化された宗教に開かれ、人々の中の私であることを追求していく。
これらの働きを他律的な生き方の中で神谷は実践した。
それは、超越的存在のちからによってだけでなく、仲間や隣人や、自分が全く気付かぬところで助けてくれている人によってかも知れない。
そうした日常に「生きがい」への道が眠っていると、神谷は考え、そこに自らの身を投げ出した。
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